Future of Blue〜第1部

□三話〜出会い・再会、そして力
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「…済まん、待たせたか?」
「ううん。時間差で皆来た所だよ」


亮が仕事場に来た時、既に自分以外の全員が集まっていた。

自分の副官にして一応親友の天上院吹雪が、ニッコリ笑って迎え入れる。



「―さて、本題と行く」

亮が席についたのを見計らい、この隊の総リーダーである手塚が口を開いた。
全員が表情を改めて、手塚に注目する。

「今日、俺逹の実質的上司に当たる竜崎スミレ女史が、三人の新入隊員を連れて来る」

その言葉に、驚きを隠せない者、あらかじめ聞いていた為、静かに納得する者と反応が別れた。

「実力は竜崎女史自身、そして俺の両親と祖父、不二の両親の折り紙付きだそうだ」
「!! それは…、本物だろうね」

口を開いたのは、不二周助。十夜の副官で手塚の幼なじみの一人である。

「そのようだ。実際の判断は、俺逹の中から実技試験の相手を決め、その結果次第で決定する」
「…なるほど。確かにそれが最も理にかなった判断だが…」

メンバーの一人、乾貞治がやや分厚い眼鏡を上げて頷いた。

「でも、俺らの中から〜? それはちょっと厳しくない?」

同じくメンバーの一人、菊丸英二が声をあげた。

「英二。その発言はどうかと…」

不二と同じく十夜の副官である青年、大石秀一郎が咎めた。

「うーん、でも確かに、俺逹と同レベル位の実力はないと、この中でやって行くには厳しいかもよ」
「…吹雪の言う通りだな。…とすると、問題は…」
「誰が試験官になるか、と言う事ですね」

吹雪に続き、亮と十夜が口を開いた。

瞬間、全員が顔を見合せる。


「…どうする?」
「…向こうの力がわからないと、判断の仕様がないのでは…?」
「…確かに」


「…なら、試験官の判断は保留、その場で決める、と言う事で良いな」
「いえ、選択権はないかと」


手塚の発言に十夜が突っ込みを入れた時。



事務所のドアが叩かれた。
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