小説
□嫉妬
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生徒のほとんどが下校した放課後、クロームは校門前で大好きな彼氏を待っていた。
彼は今日、日直らしく少し遅くなるので先に帰っていいと言ったのだが、大好きな彼と少しでも長く居たいと思うクロームは、彼を待つことにしのだ。
「骸様…」
ふと、彼の名前を呼んでみる。
早く会いたいという願いを込めて。
「あのっ!クロームさん!」
「えっ…?」
クロームを呼んだのは、彼女が待っている彼とは違う別の人だった。
「誰…?」
「あ…俺、クロームさんの隣のクラスの三田っていいます!実は…話があって…」
ちょうどその時、玄関からはクロームがずっと待っていた骸が出てきた。
だが、クロームは気づいていない。
「おや…あの男は…」
骸は遠くから二人を見てゆっくりと近づく
「あの…話って…?」
「俺……
ずっと前からクロームさんが好きでした!付き合ってください!!」
クロームは大きな瞳を丸くして驚いた。
また、二人に近づいていた骸も思わず足を止めて驚いた。