*エイプリルフール*

・ツナ京・
「ツナ君、あのね、」
可愛くてたまらない上目使いで俺に話し掛けてくるから、何事かと思えば「赤ちゃん、できたかも・・・」
「・・・え?」
きっと今自分は相当な間抜け面をしているだろう。
「赤・・・ちゃん?」
こくん、と小さく不安と幸福の入り交じった顔を見る限り、本当なのだろう。
「京子、本当にできたの?」
「・・・ツナ君、いきなりだけど、今日って何日か知ってる?」
本当にいきなり今日聞かれたのですぐには思い出せなかったが、
「四月一日だよ?・・・あッ!京子ぉ?!」
くすくすと笑っているのを見る限り俺が思い当たったことは正しいみたいだ。
「ごめんね、ツナ君。けど、ツナ君なら、超直感でばれちゃうかと思ってたんだけど。」
「京子。あんなこと言われて落ち着けるはずないだろ?」
「けど、赤ちゃん欲しいとは思ってるんだよ?」
さらっと笑顔でそんなこといいなんて・・・理性がぶっ飛びそうだ。
「それは誘ってるってとっていいんだよね?京子。」
「どうだろうね?」
そういいながら二人の距離は縮んでいく。






・獄ハル・
こんにちわ。三浦ハルです!今日はエイプリルフールですが、きっと獄寺さんは忘れてると思うんです。だから、今からハルが思い出させてあげるんですよ。作戦も考えてきたのできっとばっちりです!
           「獄寺さん、ハル、日本に帰ろうと思うんです。」
「・・・は?」
「だって、やっぱりマフィアって怖いですし。」
「・・・勝手にしろ。」
・・・あれ?これじゃぁ作戦と違っちゃいます!
「いいんですか?本当に帰っちゃいますよ?!」
「だから勝手にしろって言ってるじゃねぇか。」
うぅ・・・大変です。これじゃハルがピンチです。揚句獄寺さんたら
「ほら、帰るなら早くしたほうがいいぞ。荷物は送っといてやるから。」
何て言うから、ハルもかっとなって
「わかりました!もういいです。ハル日本へ帰ります!!」
って言っちゃいました。本当はこんなはずじゃないのに・・・獄寺さんの馬鹿。
「まったく。おい、ハル。」
呼ばないで下さい。今決心してるとこなんですから。
「帰るなよ。俺の側にいろ。」
え?
「今なんて言ったんですか?」
「アホ女。帰るなって言ったんだよ。どうせエイプリルフールの嘘なんだろ?」
そんな!ばれていたなんて・・・ちょっとショックです。
「どっちみち、俺に嘘つこうとしたことに対してお仕置きしなきゃなぁ?」
獄寺さん、顔が怖いです。ハルは決めました。もう獄寺さんには嘘をつきません。自分のために。






・山花・
「花、俺達別れないか?」
いつもクールであまり動じない花も流石にこの発言には驚いたようだ。
「・・・なんで?」
「なんでって。だって花、好きてかあんま言わねぇし。俺のこて好きじゃねぇのかと思ったらさ。俺も嫌になっちゃって。」
今までそんなことを言われなかった花は心底不安そうに俯いていた。
「ごめん。私、そういうの苦手だし。できるか分かんないけど、山本とは・・・別れたくない。」
泣きそうになりながら、山本にそう訴える花を見て山本は、少し喜んでいた。
(やべっ。泣いてるけど・・・花が我が儘言ってくれるの、初めてだ。)「花、それ、花の我が儘?」
「うん。」
小さい声の返答が逆に山本を喜ばせた。いつも気丈な彼女が初めて見せた弱い姿に、初めての我が儘。
「花、ごめんな?別れるなんて嘘だよ。第一俺、花がいないと生きてけねぇし。」
「本当に?」
今度は山本が心底驚く番だった。怒られると思っていたのに、涙目で見上げられるとは思ってもみなかった。
「本当だぜ。逆に、絶対俺以外の奴なんかに花はやらねぇ。」
「良かった。」
いきまり抱き着かれてよろめいたものの、なんとか転ばずに、しっかりと抱きしめ返すことができた

−絶対にこの手は離さない−



・あとがき・
ごめんなさい。正直、ネタ切れです。ので、ヒバピン、骸髑髏、ディノビア、コロラルが書けませんでした。ちなみに獄寺は内心ハルが本当に帰るんじゃないかとびびってました。で、途中でエイプリルフールに気付いてあの態度なわけですね。
嘩楠

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