詩2

□最後の空想
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泣くのなら
この気持ちは必要なかった
一人で転げ落ちる
山にも登らなくて済んだ
力の為に手に入れた嘘は
やがて幻想を現実に作り替えた
大きな剣
自分の弱さを隠す仮面
青い瞳
弱い自分を強く見せている根源
誰にも知り得ない過去
誰かのものである過去
きっと見せたくなかった
帰ってきたくもなかったのに
呪いかのように現れた
恐怖
立ち向かわなければならない
凶悪
世界を脅かす
空から降って来た災厄
一輪の花との約束
守ると誓った優しい聖者
災厄は全てを奪い
総てを哀しみへと追いやった
花だけが
微笑みを湛えて消えてった

戦う為に生まれてきた
ただの落ち零れは生まれてきた
そのただの落ち零れは
災厄を倒し
星を救うと心に誓った

昔の友との勝手な契り
持ち出した大きな剣
青い瞳も強さに変わった
嘘は嘘のまま本物になった
きっと誰かに知って欲しかった
側に誰かいれば戦えると思った
恐れる災厄は助けと友に
砕く事ができると思った

一人を感じていた
闇に囚われる事を感じていた
救い出される意義を考えていた
生きていく意味を知った
やがて星は修復を始める
人々は傷を癒していく
次の災厄を生まない為に
死を無駄にしない為に

生きていく強さの為に




 
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