詩2

□ぎんいろ
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そこにある光は
いつしか輝くことを忘れ
濁り黒く染まり
死んだようになった
知らぬ内に忘れたのか
自ずから忘れたのか
それを知ることも叶わず
疲れ果てたそれは倒れ込んだ
「生きた証は
やがて消えてしまうんだ」
人は風となり
大地を
海を
空を駆ける
だから証なんてもの
必要ないだろう
そうやって
その光は消えた
ひっそりと生きて死ぬために
また
輝くさまに人が集まらぬように
光に虫が呼ばれるように
集まってくるものだから
照らしたことを後悔する
「付いてきてはいけないと
あれほど言ったのに」
この道は辛く険しいものだから
同じ目になど
あわせたくなかった
だから
光り輝くことをやめたのに
結局同じことの繰り返し
「これが自分なのか
これが運命なのか」
逆らってみても同じこと
ならばまた光れば良いと
集まってきた者は言った
「僕たちは大丈夫だから」

そしてまた光りだす
昔よりさらに
強く
明るく




 
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