other

□あなたのことを愛してはいないのに
1ページ/1ページ



あなたのことをしてはいないのに、



どうして僕なんですか。
何度問いかけたかわからない質問にすら、目の前の男はにへらと笑ってだって骸だからと答える。
馬鹿みたいだと思わないんですか。
男ですよ子供ですよ、殺人者ですよ。
あなたの嫌いなものしか詰まっていない欠陥品です。
それでも俺は骸が好きだよ。
ああ駄目だこいつきっと言葉が通じていない(そもそもやつはイタリア人だし)。
ねえ骸は俺が嫌い?
泣き出しそうな目で問いかけてくる男。別にその姿はかわいくも何ともない。
ええそうですね大嫌いですこの世のどんなものよりも。
この話題をさっさと打ち切りたくて一息で言い切ってやった。
にもかかわらず。
じゃあ愛してるなのか。
はあ?どこをどう聞いたらどうなるんですか?あなた耳付いてるんですか。
骸はあまのじゃくだから、きっと大嫌いって言いきるってことは、それくらい愛してるんだなって思った。
頭がどこかおかしいとしか思えない。
いいですか、僕はあなたを愛してません。さらにいえば、あなたみたいな人種がこの世でいちばん嫌いです本当に。
そう、僕は、あなたを愛していない。
うん、わかった。でも、さ。
だって愛し方がわからない。

俺はお前を愛してもいいだろう?



あなたにして欲しいのです。
(与えられるだけで満足したい)


おしまい。

憎しみ以外すべて捨ててしまったから愛なんて知らない子供と教えてあげたい大人。



お題提供>>確かに恋だった

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ