世界ごと死んでしまえばいいのに。
手を離したら本当に消えてしまうアンタに向かってつぶやく。
こんな気持ちを残して、俺を残していってしまうくらいなら
世界ごとアンタと一緒に死んでしまえばよかった。
それならば、俺はその一瞬までアンタの傍で手を繋いでいただろう。
眠るように目を閉じるアンタは、
この世のすべてを集めたように美しいままで、ずるい、と思う。
こんなにも、俺は醜いのに。
アンタが死んでも、涙一つ流せないままの、醜い男だ。
「エルー、」
ねえ起きて。
空色の瞳が、見たいんだ。
どうしたんですかって、言って。
日向のような声が、聞きたいんだ。
ねえ、笑ってくれ。
そしたら俺は、今までの悪夢を思って泣くから。
冷たい瞼をなぞって
そこに唇を落として
俺はあんたと同じようにひっそりと瞼を閉じた。
君がいてくれないと、泣くことだってできないよ
(閉じた瞼すら涙も濡れない)
おしまい
キリエル続き。あと一個続く予定、は、未定。←
お題拝借>>確かに恋だった