お題

□因果応報
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好きになるのはいつも恋人がいる人。
付き合うのは略奪愛から始まる。
これが昔からの恋愛スタイルだった。


自分の最大の武器は若さと容姿。
だからこそ好きな人にふさわしいのは自分であり、好きな人と付き合っている人がいつも酷く醜いものに思えた。

「ねえ、自分の顔を鏡で見たことある?
そんな顔でよく彼の横にいられるよね」

そんなセリフも平然と言ってた。


しかし今では逆に彼を奪われようとしていた。
奪おうとしている相手は今まで馬鹿にしていたような容姿をしていて、年齢も自分や彼より上の人だった。


彼は別れ際に

「お前のいいとこって若さと見た目だけだよな」

と言い去っていった。


あんな人に負けるなんてありえない。
しょせん自分の良さがわからない彼なんてこっちから願い下げ。
これは振られたのではなく自分から振ったのだ。


何度も自分に言い聞かせていた。


そしてふと二人の様子を伺った。
二人は何やら話をしながら幸せそうに微笑み合っていた。


その時の彼は、今まで自分には一度も見せた事のない、とても幸せそうな笑顔をあの人に向けていた。


それを見た瞬間、何故か少しだけ後悔をした。



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