ショートショート
□パブロフの犬
1ページ/1ページ
昔から何度となく外見の悪口を言われ続けた。
いくつになっても言われ続ける。
そういった低俗な言い方しか出来ない人は大人になってもいるらしい・・・。
しかし言われ続けた結果、自分の外見は醜いと卑屈になる。
そんな時彼は可愛いと言った。
最初は「何言ってるんだろう・・・この人は・・・」と訝しんだのを覚えている。
彼は最初は「可愛い」だけだったのにいつの日から違う言葉も囁き始めた。
「好きだよ」
あの日以来、毎日彼から言われる言葉。
今では彼の前だけでは可愛いのだろうと思うようになり、彼のことも好きになった。
ねえ・・・私もあなたに毎日言いたいことが出来たよ。
[次へ]
[ショートショートへ戻る]
[表紙へ戻る]