ショートショート

□雪の情景
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一面銀世界の中に
ずっと立っていた


いつからそこにいたのか・・・


時間がわからなくなるほどそこに立ち続けているはずなのに
綺麗で幻想的な光景は
自分の寒いという感覚を麻痺させていた


「いつまで立っていたら
この雪のように白く綺麗な心でいられるのだろう・・・・・」


そう思いながら白い吐息をそっと吐きだした


ふと空を見あげると

今の自分の心境を物語るかのように暗黒の空からは真っ白な雪の結晶が舞い降りてきていた。



もし私の心がこの綺麗な雪の結晶のようになれるのなら

もし愛し合っていたあの人の心が戻ってきてくれるなら


いつまでもここに立ち続けよう


雪が雨へと変わり
降り頻る雨が止めど無く流れ落ちる涙を隠してくれるまでそこに立ち続けていた



それは悲しい別れの夜だった



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