短編集

□フリー配布小説
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月胸のハロウィンSSです!
本編のネタバレは多少含まれますので本編を読まれてからがオススメ!
微妙にカップリング要素が含まれます!
多分ルナ×レクテル……?
大丈夫な方のみスクロール!







おkm?





〜甘くて苦いお菓子〜






真っ黒な絵の具に紫を溶かしたかの様な、闇の帳が空に掛り始めた。
地平線では空に溶け始めた落陽が、その鮮やかな浅紅を残しながら、闇から逃れる様に、山の峰へと半分、身を埋もれさせている。


「ありがとう、ルナ先生!レクテルお兄ちゃん!」
「またね!」
「バイバイ♪」
そんな風に空が独特の顔をする〃夕方〃の中、元気のいい事が弾けていた。
ルモルダ町から離れた、緩やかな丘に佇む一戸(いっこ)の光から発せられている。
その中で五つの小さな影と、その倍近くある影一つが、たむろしていた。
「おう、もう暗くなるから気をつけて帰れよ〜」
『は〜い!』
間のびした声の主は、長い耳が特徴の小妖精、ルートル・レクテルである。
小妖精とはいっても、十六、七の人間の青年と大差なく、しっかりとした体躯である一方で、八百を越す老練だ。
ざんばらの、黄金混じりの茶髪に、魔縛布と呼ばれる布を頭に巻き、あまりを背に垂らしているといった容貌をしている。
異容ではあるが、これは彼のお馴染みのスタイルであるのだ。
対する弾む声を発した小さな影五つは、オバケ、魔女、ドラキュラ、狼男、悪魔に仮装した、ルモルダ町の子供達だ。
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