短編集
□ばっちゃんと俺
1ページ/10ページ
俺、夜月 華也《やづき かずや》
グラサンはいつも常備
茶髪の肩程の髪おっ立てて
耳に2つピアス空けてる
高3にも関わらず勉強一つできねぇ馬鹿だ。
言わば《不良》ってやつだな。
夜遅くに危なっかしい連中とつるんで
煙草吸って
酒飲んで…
帰ってくるのはたいてい深夜過ぎ。
ババァ(母親)はいつも寝てて、次の日の朝に五月蝿い。
前朝おきまりの口喧嘩。
《悪い事》なんてのはわかってらぁ。
それを素直に認められないのが人間の性分で、何より俺みたいな反抗期野郎。
ほっといてくれりゃあ何も言わないのにな。
けど、ばっちゃんだけは俺がどんなに遅くに帰ろうと待ってて、顔をみてから寝る。って生活してる。
五月蝿くは言わず、
只
「母ちゃん心配してたぞ?明日はもう少しはよう帰ってきてやりぃ。」
といつも柔らかく俺に笑う。
,