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□花輪くんはやっぱり長髪でないとね!
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「花井ー。」
ねえ、
「………。」
ねえ、
「はーなーいー。」
私たち、
「………………。」
「……花輪くーん。」
「誰がち○まるこちゃんの花輪だ!!」
「やっぱし聞こえてんじゃん。キャプテン。」
「…!!」
何しまったって顔してんのさ。
ねえ、私たち昨日から付き合ってんだよ?
何そのそっけない態度!
「ってワケなんですが。花輪くんどうゆうことでしょう?」
真剣な表情で目の前に座っている花井を見た。
花井は目を合わせないまま口を開いた。
「…オレは花輪くんじゃない。」
「やっとしゃべったと思ったら最初がそれ!?」
むぅ、と膨れて言うと花井(もとい花輪くん。もう花井なんて花輪くんで十分だ!)はやっと私を見た。
「…はよ。」
「おはよう!」
にへっと笑うと花井は頬を染めて目をそらした。
「んん?何、花井照れてんの?」
「…………。」
何も返してくれない花井を見て、図星か?と小さく笑う。
「花輪くん、」
「だからオレは…」
花輪じゃない、と続くハズの言葉を遮る。
「私は、なんもしゃべらない花井と付き合ってるわけじゃないんだけど!もう花輪くんになった花井なんて知らない!」
「…だからオレは花輪じゃないっての!なんだそれ!」
「そうそう!それが花井だよねっ!そうゆー花井が私好きなんだよー!!」
にっこりしながら言うと花井は顔から頭まで真っ赤にしてうなだれた。
「………オレも、…」
小さな声で何かを呟く花井。
首を傾げる。
「え?なにー。」
「オレも、好きだから。」
「ー!!」
キッとして言われるが、花井の顔は真っ赤だ。
それを見てにへらと笑う。
「私も大好きだよー。てゆうかやっぱり花輪くん?」
「なんでだよ!」
「あ、でも髪の長さが…。」
「ほっとけっ!!」
花輪くんはやっぱり長髪でないとね!
(でも花井があの髪型だったら私ちょっと引くなー。)
(ねえから!つかなんでそんなにオレを花輪くんにしたいんだよ!)
(え?名前が似てるから?)
(オレに聞くな!てかそれが理由かよ!?)
(花井っておもしろいよねー。)
(……………。)
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