だいすきな君に。
□02.わくわく
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「ふふふーん!」
「………。」
「ふふふーん!」
「………。」
「ふふふーん!」
「…………。」
それは朝の出来事だった。
勇人が気がつけばそこに由妃がいて、ゴキゲンに鼻歌を歌っている。
それを勇人はぽかんとしながら見ていた。
「ああもう!勇人っ!!なんか言ってよ!!」
「……え?何か言ってほしかったの。」
手をぶんぶんさせながら由妃が言えば、勇人の意外そうな表情が帰ってくる。
それに由妃はむっとしながら手をブンっ!と勇人の顔の前で振った。
「うわっ!!」
「ふふふーん!」
どうやら由妃はしっかり尋ねてほしいらしい。
彼女がなぜゴキゲンなのかということを。
「………とりあえず着替えるから下で待ってろよ。」
「女子か!!今更ゆーとの着替えとか見飽きたよ!」
あっはっは!と大笑いする女子…由妃に勇人はため息を吐く。
そして心の中で「由妃は男子だよな。」と笑う。
(普通の女子は気にする、よな?いやでもそういえば篠岡も最近は部室にサクサク入ってくるか。ん?分かんなくなってきた。)
頭の中で色々考える勇人。
しばらく考えていると由妃がもうっ!と怒りだす。
「ちょっと勇人聞いてんの!?」
「え?」
「もー!!お腹すいたから私ご飯食べてくる!早く来てよねっ!」
そう言うと由妃はバタバタと部屋を立ち去っていく。
それにぽかんとしながらも勇人は息をひとつつき、そして支度を進めるのだった。
02.わくわく
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