そばにいてくれる君へ。
□37.親はやっぱり親である
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「――!!ぷぷっ!!だははは!!」
彼、龍一の父――陽輝はもうどれ位笑っているのだろうか。
それは、由妃と勇人が龍一に会いにいった時である。
彼はただ、由妃と目が合った、それだけで今現在ひたすら笑っている。
「だっはっはっはっ!!!」
「………。」
「………。」
「………。」
しばらく笑い続ける龍一の父を見て数分、由妃、勇人、龍一は呆れたようにしかし黙って笑う陽輝を見ていた。
陽輝は目に涙をため、机をガンガン叩いて笑いまくる。
それからまた数分――ようやく笑いの収まったらしい陽輝は楽しそうに言う。
「いやーっ!はっはっは!!ほんっっと由妃ちゃんは隆の子だよな!!」
「え!私見て笑い続けて最初にそれ!?」
「うんうん、いやーかおりの突っ込みも受け継いで!」
「意味わかんないから!」
「「…………。」」
また笑い出す陽輝に龍一は呆れる。
「いい加減笑うの終われば?」
「うん!はは!!そうだな!!いやー由妃ちゃん派手にやったなあ!!」
頬を指差し言う陽輝。
今まで数人が由妃の頬を見たがこんな笑い転げられるとは思わなかった。
(息子の龍一は由妃の頬を見た途端「女って怖ぇ。」と引いていた。)
「派手にやったなって、別に私がやったわけじゃ…。」
「ああ!ああ分かってるって!!なぁ龍一!勇人!」
「いや、」
「オレらに振るなよ。」
なぜそんなに楽しいのかという位に陽輝は笑いまくる。
「だははは!!――ゲホッ!!ゲホッ!!」
「「「………。」」」
むせてまで笑う晴輝を子ども達3人は冷たい視線を送るのだった。
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