そばにいてくれる君へ。

□34.今度は残さない
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「んじゃ、行ってきます!」


「うん!がんばってね由妃っ!」


ごくりと息をのみながら言う千代。


「冷静にしないとだめだからな。」


心配そうな表情をしながらも“信じてる”という表情も見せる勇人。


そんな2人を見て由妃はへへっ、と気楽そうな表情で笑う。


「ちょっと由妃!なんでそんなにリラックスしてるの!?」


「え、そうかな?スッゴいドキドキしてるよ!」


そう言いながらも彼女の表情は軽い。


勇人はそれに安堵し、由妃の肩を叩く。


「まぁとりあえず冷静にね。」


「ちょっと勇人!さっきから“冷静に冷静に”って!いつも私が冷静じゃないみたいでしょ!?」


「ああ…だって。」


ふう、と息をつく勇人に由妃はムッとする。


しかし、まだ不安そうな千代を見てもう一度微笑む。


「大丈夫!今度こそしっかり決めてくるから!!」


「――うん!!」


力強い由妃の言葉に千代は頷く。


そんなやり取りをしていると不思議そうな表情で田島が声をかけてくる。


「なにを決めてくんだよ!今か
ら昼メシだろっ!」


「おっおべんとうっ!」


コクリと田島の隣で頷く三橋に由妃はにへらとし、田島ににやりと笑いかける。


「ちょっとね、一勝負決めてくんの!!」


「「?」」


事情を知らない田島と三橋は不思議そうに首を傾げた。


しかしそんな2人に由妃はにやりと笑い、そし「いってきまーす。」と軽いステップで進んでいった。



あの由妃ならば大丈夫だろう、と見送る。


その隣で千代は両手をギュッと握りしめながら見送っていた。


「篠岡、由妃ならきっと大丈夫だよ。」


「…うん、私待ってるよ!」


その返答に勇人も頷いた。



その後ろで相変わらず不思議そうな表情をしていたのは田島と三橋だった。





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