そばにいてくれる君へ。

□05.プレッシャー
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全国高等学校野球選手権埼玉大会
3回戦ー…。



「いいか花井!」


「てめー絶対後攻とってこいよ!!」


由妃は阿部達が花井に言っているのを聞いてあははと笑いながら言った。


「ダメだよ!花井はクジ運も悪いからきっとジャンケンも弱いよ!!先攻だと思った方がいーよ!!」


「今からジャンケンする奴にンなこと言うなよ…。」


顔を青ざめながら言う花井に由妃はにっこりと微笑んだ。


「ジャンケン、ポン!!!」


「!」


とっさに言われて花井はハッとした。


目の前にいる由妃はにんまりと笑っている。

手を見ると由妃はパー、花井はグー。

とっさとはいえ花井の負けだ。


「あははは!!ほらね!負けた!!」


「……マジで負けそうな気がしてきた。」


「花井ってマジ運ないよな。」


「クジ運も悪ィしな。」


好き勝手なことを言い出す仲間達に花井は思いっきりため息をついた。


「負けたらお前らのせいだからな…。」


「人のせいにしちゃダメだよキャプテン!」


「花井くん!行くよ!!」


「っはい!」


百枝に呼ばれて歩いていった花井を見て勇人が声をかける。


「プレッシャーかけて本当に負けたらどうすんの?」


「あはは!花井リアルに運ないからね!!私が何も言わなくても絶対負けるって!緊張してる人って“グー”、よく出すんだよね!」


あはは、と笑いながら言うと田島も頷いた。


「オレもゲンミツにそー思う!!花井クジ運ねーもん!」


「…なんか花井かわいそうだ…。」


勇人は小さな声で呟くのだった。



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