そばにいてくれる君へ。

□01.応援団+α
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「勇人!!た、大変だ!」


朝に勇人はそんな声で起こされた。
うー、とうなりゆっくり起きあがると由妃の父・隆が勇人を叩き起こしていた。


「…おじさん、どうしたの…?」


目をこすりながら目の前にいる隆を見ると、彼はかなり慌てているようで焦りながら話をした。


「大変なんだ!早く来いっ!!」


そう言いながら隆は勇人を引っ張っていく。

勇人は引きずられるように連れていかれた。











由妃の自宅に入ると、まずかおりがにっこりと微笑んで迎えた。


「あ、おはよう勇くん。」


「おはようございます…て、なにがあったの?」


そう尋ねるとかおりは嬉しそうに微笑んでいて、隆はまだ慌てまくっていた。


「な、な、なんでか由妃がもう起きてるんだっっ!!!」


そう言って隆が指をさした方向を見ると、由妃が準備万端でテーブルに座っていた。

心なしか由妃はめんどくさそうな表情をしている。


「由妃が!由妃が一人で起きるなんて異常だ!!今日は何かが起こるぞっ…!」


ぶる、と震えながら言う隆に勇人は苦笑いする。

中学生の時の由妃はそれはそれは寝起きが悪かった。
(今も誰かに起こされた時は最高に機嫌が悪いが。)

隆達はロンドンに行っていた為知らないが、由妃は朝練が楽しみで早く起きることができている。



「最近由妃は毎日早起きできてるよ。朝練があるしね。」


勇人がそう言うと隆はさらに驚きの表情を出した。


「まっ、毎日!!?ありえねぇ!由妃!一体どうしたんだ!あの寝起きの悪さは天下一品で、直るとはおもわなかったんだぞ!!」


ひたすら話を続ける隆に由妃はめんどくさくなったのか、カバンを隆に投げつけた。


「うるさいわっ!朝くらいのんびりさせてよね!!ただでさえ久しぶりとか言って無駄にハイテンションでうざいんだから!」


すると隆はよよよ、と泣き崩れる格好になった。
(なんだか彼にスポットライトが当たっているように見える。)


「由妃は…由妃はオレが嫌いになったのか…?オレにカバンを投げつけるなんて!」


由妃はガタンと立ち上がった。


「だぁーかーらー!そうゆうのがうざいんだって!その演技がかった所っ!!」


隆はがーん、というような表情を見せ、かおりの方に歩いていく。


「母さん、由妃がいじめるよ…。」


「いじめてないだろっ!子どもか!」


「いいんだ、どうせ由妃なんかオレがいない方がいいに決まってる…。」


「…うざいーっ!!!!」



由妃のそんな叫びでその日は始まった。


そして勇人は時計を見てまだ家を出るには早すぎる、とため息をついたのだった。



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