some day




▼ネタ帳。
▼好きなように思うままに書いています!

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04/27(Fri) 13:55
64

ぱちり。


目を開くと、そこは知らない場所だった。
大学生である彼女、唯崎蒼空(ゆいざきそら)は起き上がるとぽかんと辺りを見回す。
彼女がいるのは家の中、――家といっても造りが古風であり、なんと囲炉裏まである。

彼女はそして布団で寝ていたようである。

一体誰の布団で、誰の家なのだろう。
私は確かに眠った記憶はあるのだ。

そう課題が山積みで、でも今日は眠ってしまえと半ば自暴自棄になってあっという間に眠りの世界に入っていったはず。

「イヤ、どこココ?――これも夢!?」

覚めろー覚めろー、と呟いていたときだ。
暖簾(のれん)がぱさりという音と、誰かの歩いてくる音が聞こえてくる。

「――あ、目が覚めたんですね。」

入って来たのはまだ若そうな、人のよさそうな男の人。

にこやかに近づいて来る彼を見た途端、自然と蒼空は身体を固める。

――こわい。

……こわい?怖いって、なんで?

んん?と首を傾げる彼女に男の人はあの、と声をかける。
何も答えない彼女に、彼は手を伸ばす。

「――っ、いやっ!!」

ぱしん、と彼の手を振り払う。
その後、彼女は「あ、」と手を押さえる。

見えたのは目の前の彼が驚いて目を見開いている姿。

――謝らなきゃ、そう考え口を開く。

「ご、「どーいせーんせーい!!」

「遊びに来ました!!」

「土井先生、子守りのアルバイト取ってきたんで手伝ってください!」

まだ小学生程の少年達3人がにかっ!!と笑いながら、元気いっぱいに入ってきて、蒼空は謝るタイミングをのがす。

男の人は3人を見て口を開いた。

「乱太郎、きり丸、しんべえ!!静かに入ってきなさい!それにきり丸!また私にアルバイトを手伝わすつもりか!?」

「だって、」

「?」

「「「土井先生だもーん!!」」」

「だあ!!」

彼はズル、とまるでお笑いのように倒れる。

急に賑やかになったその空間に蒼空はついていくことができないでいる。

すると、そんな様子に気がついたのか、男の人は苦笑いを浮かべた。

「目が覚めたばかりなのに、騒がしくてすみません。」

「あ、いえ…私もごめん、なさい。」

そう言うと彼は「何がですか?」と尋ねてくる。

蒼空は言いにくそうに小さな声で「手、叩いちゃったから、」と伝える。

彼は「ああ、」と頷くと笑顔になる。

「気にしていませんよ。3日も眠っていて、やっと目が覚めたのですから。気が動転していたのでしょう。私は土井半助。そしてこの騒がしい3人組は私の生徒で、」

「乱太郎!!」

「きり丸!」

「しんべえ!!」

「…です。」

へへ、と笑顔いっぱいに手をあげ自己紹介する子ども達となんだか疲れている土井半助。
蒼空は頷くと微笑む。

「私、唯崎蒼空です。大学生。」

そう答えて、蒼空はハッとする。

『3日も眠っていて、やっと目が覚めたのですから。』

「私っ!!3日も寝てたのっ!?」

「遅っ!!」

「面白いお姉さんだね、先生!」

へらりと笑い鼻水を垂らした少年が言う。

私に一言言わせてくれ。

「鼻水ふこう!?はいっ!!ちーん!!」

「ちーん!!」

「「まずそこ!?」」

ずるり、とお笑いコントのようなやり取りにこの家の持ち主、土井半助はため息をついたのだった。







――懐かし忍たま!!トリップ系な話。

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04/19(Thu) 18:35
63

ぽかぽか晴天のこの日、シオンは1ページ、1ページとパラパラと本をめくっていく。
そんな彼女の傍らでは、ルフィとウソップ、チョッパーがゴロゴロぐっすりと眠っている。
ナミが見たら怒られそうな様子である。
しかしその彼女はみかん畑でみかんの木を剪定している為、咎められることはない。

まったりとした空間の中、シオンの本をめくる音だけがこの空間に聞こえてくる。


「―――て、」

「?」

シオンはページをめくる手を止め、ふと後ろを振り返る。
しかしそこには誰の姿もなく、シオンが大量に重ねた本が置いてあるだけである。
シオンは首を傾げながらも再び本に視線を向ける。


また静かな空間に戻る。

「―――けて、」

「んん?」

また聞こえてきたその声、今度は聞き間違いではないと確信する。
もう一度その声のした方をじっと見る。
やはりそこには誰もいないし、側にいる人達はぐっすり眠っている。
(いびきをかいているし、間違いないと思う。)

「誰かいるの?」

「――いる――」

「……。」

尋ねた言葉に返ってきたのは間違いなく誰かの声。
そしてその声は麦わらの一味の誰でもない。

「…どこにいるの?」

「―――――ここ、―――ここだよ、」

シオンは立ち上がり、その声が聞こえた箇所をじいっと見つめる。
そこには、シオンの重ねた本。

「…ここ、にいるの?」

そっと読み終えた本に手を伸ばし、表紙を触る。
バチっ、と電機が走ったような感覚に片目をつむる。
――それと同時、彼女の姿はその場所から“消えた”










「くああ…あー、寝た寝た!!」

「サンジー、メシーっ!!」

「――お?」

「どうしたチョッパー。」

首を傾げるチョッパーにウソップが振り返る。

「シオンどこに行ったんだ?」

「「え?」」

先程まてその場にいたシオン。
彼女は本を読んでいたはずだ。
確かにそこには本の山。
ルフィ達のそばにしおりが挟まれた本が1冊。

そして、無造作に置かれている本が1冊。

「…トイレじゃねーの?」

「そうかな。」

「ししっ、すぐに来るよな!!」













しかし、彼女は夕方になっても、夜になっても、
船のどこにもいなかった。











―――それはちょっと不思議な話





(シオンーっ!!どこなの!?罰金はないから出てきなさい!!)

(シオンさん!?どこ?)

(シオンちゅわああん!!デザートあるよおおお!?どこなんだああい!?)

(シオンーっ!!どこだあ)

(遊ぶぞー!!シオンーっ!!)

(いい加減出てこいよ!!)

(…まさか、迷子か?)

((((ゾロじゃねえし!!ここ船の上だろ!!))))

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04/01(Sun) 19:11
62

近頃、まとわりつく声がある。

「おーい、先輩!何やってるんですか!!?」

ああ、今日も聞こえてきた。
南ははあ、とあからさまにため息をつくとその声の主を見る。

「何って、陽介くん、ここどこか分かってる?」

「うす!ここは会社ですっ!!」

「…そんでもって今は勤務時間。だから私が何やってるかなんて分かるでしょう。仕事よ、し、ご、と!!」


キッとして言うと彼はあはは、と笑ってこちらを見る。

「やだなー、先輩、もうボケてきたんですか?おれも仕事してますよ。」

その言葉に南はムッとする。
じゃあ何故話しかけてきたのだ。
そんな彼女の心の声を察したかのように、彼はにっ、と人懐っこい笑みを浮かべる。

「分かんないんですか?おれ、先輩に会いに来たんですよ。だって、」

と彼は続ける。

「おれ、先輩のこと好きになっちゃったんですから。」

バサバサッ!!

「…は?」

突然の告白に南は持っていた書類を全部ぶちまけてしまう。
ああもう、せっかく順番に並べておいたのに。

「おれ、本気ですから。」

そう言うと彼は鼻唄を口ずさみながらこの場を去る。
未だにぽかんとして動けなくなっている私を置き去りにして。







―――オリジナル。社内恋愛な話

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03/21(Wed) 21:30
61

「ねぇ、秋山さん…また会えるよね!?」

「さあな…。わかっているのはこれから数年、心南(ここな)には会えない。」

「ごめん、ごめん秋山さん、」

ぽろりと涙が零れ落ちる。

零れた涙をすくいあげ、秋山は口を開く。

「お前が謝らなくてもいいだろう。」

「秋山さん、」

「…俺に会えない間、変なのに騙されるなよ。」

「変なの?」

ぽかんとする心南に秋山はため息をついた。

「キャッチセールス、詐欺には十分用心しろ。怪しい奴が来たら玄関は開けるな。」

「玄関は開けるなって、子どもみたい。」

ふふ、と笑うと秋山は眉に皺を寄せる。

「……だから心配なんだ。」

「なに?」

「いいや…、とにかく、十分気をつけろ。」

「うん!秋山さん、私っ、ずっと待ってるから!!待ってるからねっ!!」

「……ああ。」

そっけない言葉ではあるが、温かいその言葉。

心南は満面の笑顔を見せる。
その笑顔を見て秋山は小さく微笑む。

その笑顔を見て心南は手を振った。














あれから何年か経った。

秋山さんはもうすぐ刑務所から出てくる。
その日はお祝いをしなくちゃ!

心南はワクワクする心を抑えきれずスキップしながら家に向かう。
鼻唄をうたいながらポストを開けると、ぽとんと封筒が落ちる。

「――?」

落ちたのは黒い封筒。
それを拾い上げ、ぺり、と封筒を開ける。

「ライアー、ゲーム?」

なにそれ、と呟きながら部屋に向かうとドアの前には大きな黒い箱。
再び頭にクエスチョンを浮かべ、それを開く。

「―――――!!!!」

余りの驚きで声が出ない。
慌てて箱ごと部屋に入る。

「なんで、こんなものっ…、」

その黒い箱には札束が詰まっていたのだ。
カタカタと手を震わせながら封筒に入っていたディスクを再生させる。

その内容は、私がライアーゲームというゲームに当選したということ。

そして、これはお金をかけた勝負となるということが記録されていた。

――このディスクを見たら、棄権はできないということも。

「ど、どうしよう。」

こんなこと、秋山さんには言えない。
せっかく刑務所から出て来た彼にこんなことを言えるわけがない――。

心南はごくりと息をのむ。

参加、するしかない。
















「秋山さんっ…!!久しぶりっ!!」

「心南、元気そうだな。」

「うん、元気っ!!出所してすぐこれなくてごめんね。」

「いや、俺もいろいろあったからな…」

「いろいろ?」

「ああ、また落ち着いたら話す。」

「そうなんだ…、うん、いつでもいいよ!それで、あのね、これからどっか行こうかな、と思ってたんだけど、あのっ、ちょっと用事があって今日はもう行かないといけなくて、だから、また今度でいい?」

「……心南、どうした?」

「え、な、何が!?」

「なにか隠してるだろう?」

「えっ、何も!ごめん秋山さんっ私いかなくちゃ!!」

それだけ言うと心南は慌てて走っていく。
その後ろ姿を秋山は怪訝そうな表情で見送った。















「ここが、会場…。」

「ハマダ ココナ様ですね。」

突如話かけられ心南はドキリとする。

「は、はいっ!」

「この度はライアーゲーム事務局側の手違いで2回戦からの参加となってしまい申し訳ございません。」

「あ、いえ…。」

「会場はこちらになります。」

「はい。」

心南は鞄をぎゅっと握りしめドアをくぐる。
そこにはすでに何人もの参加者が集まっていた。
目が合った女の子に微笑んでくれる。

良かった、思ったよりもいい人がいるみたい。

お金の取り合いというからどんな人がいるのかと思っていたけれど、あの女の子とは仲良くなれそうだ。

ほっと息をついたときだ。

「あ、よ、よろしくお願いします。私、浜田心南です。」

「こちらこそ。私、神崎直です。」

にこにこしている女の子、ナオちゃんとはなんだか気が合いそうだ。

思わぬ出会いにワクワクしているとナオちゃんが私の後ろに向かって声を出した。

「あ、秋山さん!聞いてください、友達になったんです!!」

「…友達?」

その声に心南はびくりとする。
ナオちゃんはそんな私に気づくことなく彼に向かって話かける。

「はい!そうなんです。」

心南が振り返る前に、彼は口を開いた。

「…なにか様子がおかしいと思っていたらこういうことか。心南、」

振り返るとそこには秋山さん。
彼は呆れた様子でこちらを見ている。

「なぜこんなところにいる。」

「あき、やまさん。」







―――――
ライアーゲーム。
シーズン1な感じです。
秋山さんとは彼が刑務所に入る前からの知り合い。
そして秋山さんのことがすきな設定。
両思いだけど、本人は鈍く、秋山さんは彼女が心配。

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03/16(Fri) 20:50
60

ぜってェわすれんなよっ!!

うん――わすれないよ。
ありがとう、ルフィ。








「――久しぶりにこの夢見た。」

むくりと起き上がったのは栗色の髪の毛をした少女。
彼女は頭をかくと周りを見渡す。

あの時の夢を見るなんて、なんかヤな予感。
そう思いながら彼女は歩き始める。

ここはグランドライン、アラバスタ王国。

近ごろ不穏な気配をここで感じる。
そう、あの七武海のクロコダイル。
奴の行動が何か怪しい。

カジノ、レインディナーズ。

彼女はカジノに入ると辺りを見回す。

こんなところに何かあるとは思えないが、こここそクロコダイルのいる場所。
奴の姿を確認するのも必要なことだ。

そう考え、メモを取りながらカジノをウロウロする。

と、その時だ。

「クロコダイルーっ!!どこだーっ!!」

「――!?」

聞いたこのとのある声にそちらを覗き込む。
すると、その声の主と目が合う。

彼は目を大きく見開いた。

「――ソラっ!!」

「ルフィ!?」

「おー!!久しぶりだなァ!!」

「ほんとだね。…まさかもう会うなんて。」

「…ん?何か言ったか!?」

「いや、別に。」





その出会いは唐突に。



(ルフィ、この子が誰かは知らないけどアイツが来てるわよ!?)

(うおっ、ケムリン!!ソラ、とりあえず行くぞ!!)

(え、ちょっとルフィ!って海兵!?)





――なんとなく書いてみるた。ルフィ幼なじみの話。アラバスタで再開。そして巻き込まれる。

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03/10(Sat) 21:41
51.2

「…ここはどこかな?」


私――夏井空はついさっきまで渋谷有利と話していた。
そう、最近私がよく見る夢(おかしな夢なんだけれどとりあえず置いて。)のことを話していたのだ。

だけど突然表れた村田に「じゃあ行ってみよう。」という彼の言葉と同時に村田に押されて子どもがよく遊ぶ川へと一直線に落ちて起き上がった途端にその変化に気がついた。


そう。

そこはさっきまで自分がいた所ではなかったのだ。

「おい村田くんっ!!濡れるだろ!!眼鏡壊すぞ!!…………ってあれ?」

村田に文句を言おうとした言葉は途中で消える。

「……ここ、どこ?」

見渡す限りの原っぱに空は目をぱちぱち とさせる。
ざばりと立ち上がると、濡れた髪やら制服をできるだけ絞る。

ぼたぼたと滴る水の音を聞きながら空は「どうしよう。どうしよう。」と呟き続ける。

状況の変化に全くついていけない上に村田のせいでびしょびしょになってしまったという苛立ち。

色々な気持ちが交差して空は拳を震わせる。

「おーい。」

「なんでっ…!………なんで私が……!」

「おーい?」

「なんで私がこんな目に合うんじゃ――っ!!!」

「ぶふォっ!?」

ザパァァン…!

「……ん?」

空は意思に反して手に当たった何かの衝撃と水の音に首を傾げた。

一体何が当たって何が水に落ちたのだろう。

不思議に思い振りかえる。
ざばりと男が川から上がってきた。
日本人とは思えないオレンジの頭に、水色の瞳。

そして何よりも目を引いたのは――。

「めっちゃムッチョ!!」

すると彼は呆れたような視線をこちらに向ける。

「…いてて、最初の一言がそれか?陛下の友達はやっぱり不思議だ。」

「へーか?」

首を傾げると、オレンジ頭の彼はニッと笑う。

「漆黒の肩までの髪の毛に、くりっとした目。そんで不思議な服装。夏井空ちゃん、だろ?」

名前を言い当てられ空はぽかんとして頷いた。

「そ、うだけど。へーか?」

再び聞き慣れない言葉を口にすると彼はああ、と手をポンと叩く。

「渋谷有利陛下だ。そんで俺はヨザック。陛下に頼まれて空ちゃんを探してたんだ。」

「しぶ、や。陛下?」

「そうそう。ま、とりあえず行きますか。」

そう言って彼は馬を指差した。

「って、馬ぁぁっ!?」

空の響きが辺りにこだました。
ヨザックは見事耳をふさいでいたが。




――――――
前に書いたやつの続き。

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02/09(Thu) 21:22
59

――わあ、すごいきれいだね!

――うん、きれいでしょー!見つけたんだよ




「……あれ?何の夢だっけ…。なんか、昔行った所だよ、ね。」

うーん、と由妃はベットの上で唸る。
先程見た夢。
確かにいつかどこかで行ったことがある、はず?

未だ首を傾げたままだった由妃はその状態のまま固まる。
それから数分後のことだ。

「―き、由妃!!」

呼ばれて由妃はハッとし、そちらを見る。
向かい側の窓で勇人が必死にこちらを見ていた。

「あれ、ゆーとどうしたの?」

そう尋ねると彼はため息をつく。

「どうしたのって、由妃がどうしたんだよ。ぼんやりして、時間、気づいてる?」

「…え、時間?」

由妃は時計に視線を向ける。

時計が指す時間はいつもよりも大分遅い。
どうやらベットの上でぼんやりしている間に結構な時間が経ってしまっていたようだ。

由妃は慌てて立ち上がる。

「――うわ!!やば!!」

ばさ、と布団をどけて準備を始める。

「ゆーと!着替えるから除くなよ!!」

ニヤリと笑いながら言うと勇人の顔はぽかんとした表情から真っ赤に変化していく。

「の、のぞかないから!!」

慌てて窓を閉めた勇人に由妃は笑いを堪えながら着替え始めた。








「――それで、なんでベットの上でぼんやりしてたの?」

いつもならば朝練だと張り切って勇人の部屋に飛び込んでくるのに、と言うと由妃は首を傾げた。

「いや、夢見てさ。」

「夢?」

由妃はこくん、と頷きそして話を続ける。

「夕日がキレイで、山の上?でさ、行ったことある気がするんだよね。」

その言葉に勇人は「あ、」と口を開く。

「それってさ、あの時じゃない?」

「あの時?」

勇人は懐かしそうに微笑みながら話を始めた。

「みんなで遊びに行った時にさ――…。」











――――それは、懐かしき日のこと。
栄口連載番外

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01/28(Sat) 16:21
58

ぼんやり。


そんな言葉が正に合うのは彼女である。


「――シオン!?あんたまたこんなとこでぼーっとして!」

「…あ、ナミ?どうしたの。」

「イラっ。…まぁいいわ。シオンはでかけないの?」

今は島についてみんな自由に過ごしている、のにだ。
何故彼女は船でぼんやりしているのだろう。
(私は一回買った物を置きにきたのよ!)
その答えを待つと彼女はぼーっとした表情のまま言った。

「ええ。―――めんどくさいから。いたっ、」

バシ!!

答えを聞いた瞬間頭を叩くと不満げな様子でこっちを見てくる。

そしてシオンの服を引っぱりながら船を降りる。
(引きずるともいう。)

「わ、ナミ!?」

「ぼんやりしてないで出かけるわよ!!私の買い物に付き合いなさい!!」



まったく、 この子は放っていたらすぐ一人になるんだから。
ちょっとは外に行こうとか考えないのかしら!

「ナミー、服が伸びる。」

「うるさいわよ!さっさと歩きなさい。」

「あはは、なんか理不尽だなぁ。」







――連載番外編

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01/08(Sun) 21:17
57

「由妃、なんでわかんないの?」

「え、なにが!?」

突然真顔で言う勇人に由妃はぽかんとする。
そんな2人がいるのは勇人の教室であり、由妃の向かいでは巣山は「あーあ」という表情をしている。

「由妃はさ、ここがどこか分かってる?」

「え、教室!」

「はい正解。じゃあそれ、なに?」

その言葉に由妃は首を傾げる。
その様子を見ると勇人はムッ、とする。

それに気がついた巣山は席を立とうとする。

「――じゃ、オレは。」

がし!!

「うお!!」

(席を立つなっ!!今ゆーとと2人にしないで!!)

「……。」

目で訴えられるが、立ち去ろうとする。
しかし由妃が巣山をつかむ力は半端なく巣山はしょうがなく座る。

(はぁ、巻き込まれてる…。絶対きまずいよなコレ。)

「由妃?」

「はいっ!?はいはい!」

「はいは一回だろ。」

「(勇人の説教モードだ…。)…はい。」

「なに、それ。」

「だからそれってなに。」

「…それ。」

由妃はしばらく考え、ああ、と笑う。

「スカート!!昨日千代と買いに行ったんだ!!可愛でしょー!」

嬉しそうに笑い、くるりと回る由妃。
巣山は「ああ…!仲川!!」と呼ぶ。

「ん?」

勇人は俯いて顔をキッと上げる。

「だから――」

「これさ、勇人に見せようと思って着てきたんだよー!!どう!?」

にへ、と笑う由妃に巣山は「ああ、」と頷く。
勇人は一瞬止まり、そして口を開いた。

「そっか、篠岡と買い物行ってたもんな。」

「うん!!可愛い!?」

「うん。いいんじゃない?」

ずる!!

ゴン!!

響いた音に2人はそちらを見る。
巣山が机から滑り落ちてしまったようだ。

「どうしたの巣山!」

「大丈夫?」

「…いや、なんでも。」

脱力しきった巣山に2人は首を傾げるのだった。










(信じらんねー。こっちが、疲れるよ。栄口ほんとに仲川に甘いよな。)





――連載番外編。スカートの丈が短いことを栄口くんは気にしていました。
だけど簡単に怒りを沈める栄口くんは、甘いですね。
そして巻き込まれた巣山くん。

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01/08(Sun) 16:52
56

「ナオ!久しぶりー!」

町中で懐かしい友人を見つけ手を振る。
彼女もこちらに気がついたようで笑顔になるとこちらに駆けてくる。

「ナツキ!元気だった?」

「うんうん。ナオも元気そうでよかった!!ねぇ、今からお茶できない?」

にっ、と笑って尋ねるとナオは視線を泳がせ、持っていた鞄をぎゅっ、と持つ。
よく見れば彼女の持つ鞄は大きい。

「もしかして、今からどっか行くの?」

「う、うん。そうなの…、ナツキごめんね。」

申し訳なさそうな彼女に首を振る。

「いーよいーよ!また今度行こう!」

「うん、ありがとう。またね!」

笑顔でナオは小走りで去って行く。
その後ろ姿を見てナツキは眉をしかめる。

「おかしい。絶対おかしい。」

ナオはバカ正直だ。
私に嘘が通用すると思っているのだろうか。
彼女の表情は変だった。
ナツキはナオの後を追って歩きだす。

もしかしたら変な奴に騙されているかも。
もしかしたら変なキャッチセールスにつかまっているかも。
考えれば考える程顔が青ざめていく。

ドキドキしながらナオの後をついていくと、廃墟になっているゲームセンターにたどり着いた。
そして彼女はその中へ入っていってしまった。
ナツキは顔を真っ青にさせる。

「怪しい、怪しすぎる。」

こんなところでなにをするというのだろうか。
心配度はマックスになる。
どうしよう、と入り口を覗き込む。

「山口ナツキ様。」

「うわっ、ごっ、ごめんなさい!!」

驚いて振り返ると黒いスーツにショートカットの女性。
彼女はナツキの行動に表情を変えることなく続けた。

「神崎ナオ様が心配ですか?」

「…ナオのこと、知ってるんですか?」

「もし、神崎様が心配ならば、お入りになってはいかがですか?」

「…入れてくれるんですか?」

そう尋ねると彼女は手のひらを入り口に向けた。

「どうぞ。」

ナツキは息を吐くとドアを開いて中に入る。
意気込んでいたせいで、ショートカットの女性の言葉は耳に入らなかった。

「――ようこそ、“ライアーゲーム”へ。」










そして私は何も知らないまま“ライアーゲーム”という恐ろしいゲームに参加することになってしまうのだった。





(ナオは私が守るんだから!)










――ライアーです。今年も映画公開されますねぇ!ナオちゃんが出ないのが残念…。

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