some day




▼ネタ帳。
▼好きなように思うままに書いています!

[書込]

12/10(Mon) 21:20
13-3

――野球部の、人?

勇がそう呟けば、目の前の今日からクラスメイトはにんまりと笑う。

「おー!!オレ田島!!よろしくなっ!!オレ野球部ラブだからお前もきっと野球部ラブになるって!」

「あ、はい。」

ニカリと笑い言う田島に勇はぽかんとする。

一方で田島の様子を見て泉はあーあ、と頭を抱える。

その泉の背後から、他の人物がバッと現れる。

「私も野球部ラブだから!!」

「へ、」

「ウワサの河合勇ちゃんっ、だよね!!」

「あ、え、」

少し離れた距離からぐっと勇の近くにやって来る彼女(近い、近すぎる。)に驚く。

近すぎて顔がよく見えない。

「ちょっと由妃、近すぎ!河合さん驚いてるよ。」

少し離れた所から声をかけられ、そちらの人の顔が見える。
(可愛い、っていうよりは綺麗な人だ。)

その綺麗な人のおかげで、近すぎる距離にいた彼女は離れた。

ようやく見えた顔のほっ、と安堵した。
(綺麗というよりは可愛い人だ。)
彼女はあはっと笑う。

「ごめんね!テンション上がっちゃって!」

にぱっと笑って謝る彼女に、嫌な感じはしない。
勇はぷるぷると頭を振った。

そんな勇を見て、彼女は微笑む。

「私仲川由妃!野球部マネジなんだ!!」

「私は山本心。よろしくね。」

「あ、うん、よろしく。」

こくりと頷くと、由妃はにんまりと微笑む。

「ね、野球、きらいなんだって?」

突然そう言われて勇はぎくりとする。

野球部のマネジということは、少なからず野球がすきだということ。

そんな野球好きな彼女に対し、野球が嫌いだと言っている自分。


彼女の目を見ることができず居たたまれなくなってしまった勇は視線を下に向ける。

野球が嫌いだと言っているのに、野球部に入った。

なんで入ったの?そういう声が聞こえてきそうで下を見ていれば由妃の明るい声が聞こえてくる。

「ね、勇!」

突如呼び捨てにされ、勇は視線を上げる。

視線をあげて見た彼女は凜としている。

「私、野球部マネジなんだ!」

「あ、うんさっきも…、」

聞いたよ、と言おうとした言葉は彼女の満面の笑顔に呑み込まれた。

「私野球大好きだから、きっと勇も野球部すきになるよ!!一緒にみんなをサポートしよう!!今日から絶対毎日楽しいからね!!」

「へ、」

「あのね、マネジはもう一人千代がいてね!!千代も喜ぶだろうなぁ!!百枝さんも喜んでたしー、志賀ちゃんもー、あ!!野球のルールとわかんないよね!!本貸したげるよ!野球ほんと楽しいよー、燃えるよー、今日から絶対毎日楽しいから一!あ、あとね、」

ぺらぺら止まらないその言葉に勇がぽかんとしていると、隣にいた心が口を開く。

「勇、もし、野球嫌いなのに野球部入ったっていうの気にしてるなら大丈夫だよ。由妃はあーゆう人だもん。」

彼女にも呼び捨てにされていることに若干違和感を感じながらも勇はぽかんとしたままである。

「むしろ仲川に捕まったらもう野球すきになるしかねーって。」

「え、」

「仲川は、そーゆう人だからな。」

「そ、そうなの?」

「「うん。」」

「………。」

勇の視線はにこにこ楽しそうに話をしている由妃に釘付けだった。









―嵐に呑まれる―






(おい仲川は、あとから来ただろー!!オレが先に話しかけたんだぞ!!ゲンミツにっ!!)

(えーそんなの関係ないよ!!私のが仲良くなるもんね!!)

(あーうるさい。)

(…オレはこういう状況になるのが目に見えてたけどな。)

(孝介あの2人なんとかしてよ。扱いには慣れてるでしょ。)

(やだ。)

(即答!!)

(お、勇なかなか突っ込みがうまいね。)

(いやそんなことよりあの2人…、)

(あーいいよあのままで。めんどくせーし。どうせ野球勝負で終わるからな。)

(え、そうなの!?)

((よし、じゃあ今日の部活て勝負だ!!))

(すごい…。)

(孝介ビンゴー。)













――――

栄口連載とコラボってみた。
あれ、コラボって書くの楽しいかも。←

主人公が由妃のペースに巻き込まれる。
とゆうかどっちが主人公か、ってくらい由妃がしゃべってる。

主人公はどっちかといえば突っ込み体質。

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11/12(Mon) 15:33
13-2

――夢を見た。

昔、笑顔で野球のことを教えてくれた兄の夢を。

昔、大好きな野球をしている兄を応援する夢を。



――ああ、私は本当に兄の気持ちを分かることができるようになるのだろうか。



「あの、よろしくお願いします。今日から編入する河合勇です。」

「――ああ、来たね。」

にこりと微笑むのは教師の志賀。
勇は昨日のこともあり、少し気まずそうにぺこりと頭を下げる。

「あ、あの、私…。」

「ああ、野球部マネジのことなら大丈夫。もう入部届けは受け取ったようなものだから。」

「――!う、あの、昨日は失礼しました…!」

すると志賀は苦笑いする。

「昨日のことなら気にしなくてもいいと思うよ。…君の言葉で、監督に火をつけたかもしれないけどね。」

「あ、ハイ。いえ、あのその…。」

言いよどむと志賀は彼女を安心させるように伝える。

「大丈夫。部員達も、いい子達ばかりだから。きっと河合も、野球を好きになれるさ。」

事情を深くは聞いてこない志賀に勇は感謝する。

「はい。よろしくお願いします!」

ぺこりと頭を下げ、今日から過ごすことになるクラスへと向かう。










「なぁなぁ、昨日の河合勇って、どこのクラスにくんだ?」

「さぁな〜。」

「おっ、オレも、し、知らないっ!」

泉は、頬杖をつきながら昨日のことを思い出す。

「にしても変な奴だよな。野球部に来て、“野球が嫌い”とか言うなんてな。」

「うん!オモシレー奴だなっ!!うちのクラスに来ればなー!!野球のおもしろさ教えてやるのに。」

恐らく彼女がこのクラスになってしまえば、田島の犠牲になるのは目に見えている。

泉はそうならぬように祈る。
もし、そうなってしまえば気の毒すぎる。

昨日のその状況を知らぬ浜田は不思議そうに、そのやり取りを聞いていた。

「なになに、野球嫌いな奴が野球部入るのか?」

「そうみたいだぜ。」

「へー、ふーん、まぁ野球部は変な奴ばっかだし大丈夫だろ。」

「何か腹立つな…。」

「いてっ、いてて、こら泉ヤメロ!」













(――新しいクラスメイトを紹介する。)

(河合勇です。よろしくお願いします。)

(――あ!きのーの人だ!)

(――野球部の、人?)

(……うわ、あの人マジ気の毒だな。)





――野球が嫌いな女の子の話。流れで野球部マネジになるかとになった人。
前書いた話の続き。前のことすぎて書いてから前の文と違和感あることに気づいてしまった!!笑
まぁ、ネタ帳なんで許してくださーい\(^o^)/←

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10/31(Wed) 17:37
72

コンコン。

そんな音が研究室に響いた。
その研究室の主、エルシャール・レイトンは顔を上げた。

その場にいた助手、レミ・アルタワも顔を上げる。

ドアに向かおうとした彼女だが、それは遮られた。

「僕が出ますっ!!何て言ったって一番弟子ですから!」

張り切ってそう言う少年ルーク・トライトンは笑顔でドアを開けてその主を見る。

「どちら様です、か…。」

ルークはドアを開け、首を傾げる。
その様子にレミが声をかけた。

「どうしたの?」

ルークは困惑した表情で振り返る。

「うーん、それが…、―――誰もいないんです。」

「「?」」

ルークの言葉に2人は顔を見合わせる。
確かに今、ノックする音が聞こえたのだけれど。

レイトンは立ち上がり、ルークの側に行き、外を覗き込む。

「…確かに誰もいないね。」

「はい、ノックは聞こえましたよねっ!?」

不思議そうなルーク。
しかしレイトンはドアの側に落ちている物があるのに気づく。

「おや、これは…?」

彼はドアの横に落ちている石を拾った。

「何ですか、それ?」

「ただの石ころのように見えますが…。」

レミとルークがレイトンの手の中の石を覗き込む。

しばらくその石を見たレイトンはふふっ、と笑う。

「どうやらこれを置いていった誰かは私を試したかったようだよ。」

「「え?」」

彼の言葉に2人は同時に首を傾げる。

「どういう事ですか、先生。」

「ほら、見ててごらん。」

レイトンはそういい、手の中の石ころをまるでパズルのようにカチカチと動かした。

「――あ、石ころが!!」

「なるほど、ただの石ころじゃなくてナゾになっていたってことですね!」

「ふふ、おもしろいじゃないか。」

レイトンは最後の一部をカチリとはめた。

すると、ぱかっ、と石は開き、紙切れが一枚落ちてきた。

それを拾ってレイトンはまたおもしろそうに笑った。

「何が書いてあったんですか?」

「――どうやら、このナゾをとけばこのメッセージを残した誰かに会えるようだね。」

「ナゾの中にまたナゾですか?」

「ううん、中々手がこんでますね。」

驚いた様子のルーク。
関心した様子のレミ。
レイトンはとても楽しそうに笑った。

「――じゃあ、この誰かに会いに行こうか。」

「はい!!」

「またナゾが呼んでますね!!」

















(ってもうナゾが解けちゃったんですか!!)

(さすが教授!)

(ふふ、中々おもしろいナゾだったよ。ルークも解いてみるかい?)

(はいっ!!……ううん、なかなか難しいですね…、)








―――レイトン教授。久々にゲームやってたらつい、書きたくなっちゃいました。これで話書くのってほんと大変そう!ちゃんと考えないといけなさそうですよねー!←

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10/15(Mon) 21:33
71

「モトキさん、武蔵野行くらしいっすね。」

「おう。」

「他のとこからも誘い来てたんでしょ?さっすがだな〜!」

「うるせえよ。からかってんのか!」

「まっさかぁ〜!違いますよ!!」

「……やっぱバカにしてんな日南人は。」

そう言われ日南人(ヒナト)はけらけら笑う。

そんな後輩に榛名は諦めたかのようにため息をつく。

「おっまえ本当にいい性格してるよな〜。オレお前にいつも毒抜きされるわ。」

「わっはっは!!オレもいつもモトキさんに笑わせてもらってますよ!」

「……お前それをタカヤに言ってやれ。」

「タカに?」

「あいついつもオレを睨みやがって…。」

「あっはっは!!違いますよ!!タカは元からあーゆう顔っすよ!!バカだな〜モトキさん。」

「とうとう本音言いやがったな。」

「だ〜から、違いますって!!」

にかっと笑う日南人に榛名はまたため息をつく。

そんな榛名を見ながら日南人は「そうだ、」と口を開く。

それに榛名は呆れた視線から彼へと視線を戻す。

「モトキさんが武蔵野行くならオレも来年武蔵野受けます。」

「お、まじか。」

「へへっ、絶対行きます。そんで、一緒に甲子園の土踏みましょう!!」

日南人のその言葉を聞いて榛名は不敵に笑う。

「――言ったな。」

「へへっ、言いました。だからモトキさん一年ン時は早々に負けてください。自分だけ先に甲子園の土踏んじゃ駄目ですよ。」

「はあっ!!?おっまえ本当に意味わかんねー奴だな!!」

「そっすか!ははっ!」














一年後

榛名はシニアの後輩を見つけ声をかける。

「……おい!」

「あ、モトキさん久し振りっす。」

「おい、日南人は?今日来てねえのか。」

そう尋ねればその後輩は「え、」と口をぽかんと開ける。

「日南人に聞いてないんですか…?」

「どういうことだ?」

「――あいつ、日南人は…。」










(おー!!よろしく!オレ、タジマっ!こいつ三橋!!さっき仲良くなったんだよなっ!!)

(う、うううん!!よっよろしく!)

(わっはっは!!どもりすぎだろ。面白いな、お前!)

(で、お前名前なんていうんだよ!)

(――あ、オレ沢村日南人。よろしくな。)

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10/12(Fri) 22:11
70

「わぁっ!!」

「ぐ!?」

どすっ!!という音と共に榛名は呻き声を出した。

そして背中の痛みに耐える。

その数秒後、彼は振り返った。

「へへっ!もーとーくん!お疲れっ!」

にぱっと笑う彼女は全く悪いことをしたという自覚がない。

榛名はピキリと、眉間にシワを寄せる。

「おっまえなぁぁぁ!!」

「うわぁぁ!?」

なに!?と目をぱちくりさせる彼女に榛名は目をキッとつり上げる。

「危ないだろが!!ケガしたらどうしてくれんだ!」

「あはは〜大丈夫だよ!モトくん強いもん!」

にぱっと笑う彼女に榛名は脱力する。

そこをたまたま通りかかった秋丸が呆れたような表情を見せる。

「またつるんでんの?本当に仲いいよな。」

「ばっ!ちげーよコイツがなぁ…!」

「あははっ、仲良し仲良し!アキ〜今日一緒に帰ろうよ!」

「ほんとその笑顔には流されるよな。ちょっと待ってて、カバン持ってくるよ。」

「うん!」

またにぱっと笑う彼女に榛名はため息をつく。










(そういえばモトくんとアキ、高校どこ受けるの?)

(武蔵野。)

(む、武蔵野…!私も頑張って勉強するっ!)

(ばかなお前が来れるか?)

(モトくん達一年後見てろよ!絶対行くから!)












そう言った彼女が入試に落ちて西浦に行くのはまた先の話。







―――榛名年下西浦マネージャーで2コ連続拍手にてこんな話読みたいと言われたネタを書いてみた。
人からもらうネタって新鮮でおもしろい。(*^^*)

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10/12(Fri) 19:35
69

「――オマエ西浦行くって本当かよ!?」

バタァン!!という音と共に入ってきたのは真剣な表情で問い詰めてくる幼なじみ榛名元希。

吉元芯は一度彼に視線を向け、そして再び視線を戻す。

「なんだよモト。ドアが壊れるだろ。」

「ドアがなんだよ!」

「いつになく不機嫌だな…。」

「質問に答えろ!!!」

埒が明かないだろうこのやり取りに芯はため息をつき、本を閉じた。

「――ああ、オレは西浦に行く。」

そう淡々と言えば、榛名の表情は固まる。
(いつにも増して不機嫌な顔だ。)
彼は不機嫌な表情のまま口を開いた。

「なんでだよ。」

「なんでって、別に。」

「別に、じゃねえ!!」

榛名は眉にシワを寄せ、睨むことをやめない。

何も言おうとしない芯に榛名は口を開いた。

「西浦には、野球部ねえだろ!!」

芯はふう、と息をつく。

「――だから行くんだ。」

「!!!」

こちらも真剣な表情で返せば榛名の表情はビシリと固まる。

それを見ながらも芯は続ける。

「オレは、もう野球はやらねぇ。」

「…オレ達の約束はどうなる。」

「……悪い。」

「――!そうかよ。オレは進む!!」

「ああ、オマエはそれでいいよ。」

そう返せば榛名はカッとしたのか、拳を振り上げる。

しかしその拳は上がったまま降りてこない。

その様子を見て芯が口を開く。

「殴っても、いいぜ。オレが悪い。」

「――くそっ!!」

ガン!!という音が響く。

机な拳を落として榛名は入って来たとき同様、扉を勢いよく閉め出ていった。

その様子を見て芯は眉を下げる。

「悪い、モト。お前は進め。オレの分も。オレは先にドロップアウトだ…。」






















「―――なんだって?」

「あれ、知らねーの?野球部できるらしいぜ〜。」

さらりと言ってのける友人、浜田に芯は眉を寄せた。

彼同様、さらりと流してしまえばいいことなのだがそう簡単にはいかない。

(…何のために野球部のない学校に入ったと思っているんだ。)

一人そう考えていれば浜田は「あ、」と口を開いた。

「そういや芯は野球やってたんだっけ?」

浜田のその質問に芯は頷く。

「…まあな、」

「へ〜。…今さら野球部ができるって、オレにとっては複雑なんだけどさ、」

浜田がふいに言った言葉。

「――なんか面白くなりそうだよな。」

ニカリと笑うクラスメイトに芯は何も言えなかった。
















もう忘れたはずだったのに、あの頃のことが甦ってくるのはまだ未練があるからなのだろうか。









(あ〜でもオレ留年なんだよな〜。)

(お前本当に楽観的だよな。)

(はははっ、そんな気にしてねーし!同じ学校だろ!)

(浜田、オレに校内で会ったら敬語使えよ、オレのが先輩になるんだから。)

(え、マジ!?ちょ、マジで言ってんの!!)

(モチ!!)

(やばい芯が本気の目ぇしてる!!)








そして次の春、芯の生活が激変するがそれはまだ少し先の話。







―――大振り。拍手にてこんな話が読んでみたいとリクエストされたもの。新しい連載はなかなか難しいのでここでupしてみました。

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07/22(Sun) 13:29
68

ざわり、


ひたり、


ざわり、


ひたり、




「…ま、た、」

彼女、日向心南はぞわりとした体をおさえる。

そして、制服の中にしまっていたぺンダントを取りだし握りしめるとまた歩き出す。

先程よりも早足になり、進んでいくがぞわりとした雰囲気は更に増してくる。

「やめて、…こないでよ、」

心南はその空気に耐えきれなくなり座りこむと目をきゅっ、とつむり木によりかかる。

彼女がペンダントを握る力は弱まることはない。

ぞわりとした雰囲気が最高潮に達した時――。

「う、わ!?人っ!?」

「――!?」

突然かけられたその声に、心南はびくりと体を震わせる。

ぞわりとした雰囲気はその声と共に消え去った。

彼女は恐る恐る顔を上げる。

「だ、大丈夫ですか?」

心配そうにこちらを見ているのは、自分と同じ制服の男子。

「夏目、たか、しくん?と、ニャンコ?」

「あ、元村心南さん。」

声をかけてきたのは、同じクラスの夏目くん。

そして彼の足元に白い丸い猫が一匹。

彼は困った顔をして、座りこむ彼女の顔をのぞきこむ。

「…どうしたの?」

その問いかけに心南はあは、と笑う。

そして立ち上がりスカートについた埃を払う。

「なんでもないのっ!ちょっと立ちくらみして…!ごめんね心配させちゃって。」

スラスラとそう言うと彼は納得したのか「それならよかった。」と返す。

それに心南はへらりと笑う。

「でもこんなところで夏目くんに会うとは思わなかったな、家この辺りなの?」

「――あ、うん。」

「そっか、私もこの辺!ご近所さんだね。よし、じゃあ私は帰ります!夏目くんもニャンコと戯れてないで帰りなよー!じゃあまた明日!」

何も聞かれないように一気にいい放つと彼女は歩き出す。

もうあの雰囲気は消えたから今のうちに帰らなければ。

















急ぎ足で帰っていく彼女の後ろ姿を何も言えずに見送っていると、夏目の足元の猫が口を開く。

「あの女――。」

「クラスメイトだよ。日向心南さん。すごい元気な子…っぽい。」

「ぽいってなんだ。」

「いや、おれそんなクラスメイトと話しないし。」

「………。」

彼の足元の猫は何か言いたげな顔をして夏目を見る。

その様子を見て夏目は眉をしかめる。

「な、なんだよニャンコ先生。」

「…いや、オマエのことはどうでもいいがあの女、ヤバイ奴に追われているようだな。」

「――!?ヤバイ、奴ってもしかして妖怪…!?」

夏目がそう言うと猫――ニャンコ先生はコクリと頷く。

「ああ、濃い“におい”があの女からにおった。だいぶ前から追われているな、アレは。」

「え、そんな、や、ヤバイよな?」

わたわたと慌て出す彼にニャンコ先生はバシリと足を叩く。

「ええい、うろたえるな。大丈夫だ、あの女に妖怪のにおいはついてはいるが――何かに守られていてあの女には近づけきれないようだ。」

その言葉に夏目はほっとする。

「そっか、なら…「だが、」

「?」

ニャンコ先生の視線は早足で歩く心南の背中に向いたままである。

「だが、あの女を守る何かの力はだいぶ弱まっているようだな。」

「――そんな、」

息をのむ夏目の側でニャンコ先生は難しい顔をしたままである。













(ど、どうしようニャンコ先生!)

(ええい、うっとおしい。“まだ”大丈夫だと言っておるだろう。)

(“まだ”ってことはそろそろヤバイってことだろ!?)








********
夏目です。
あー、夏目も書きたい。
構想はできてしまった…!( ´△`)
書いていいかな、うーん。
夏目すきー。←

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07/15(Sun) 17:12
67

ダム、ダムっ!!


「ちょ、ああ!!」

「おう、すげえな。」

「夏樹ちゃんすごい!!」

「くっそー!!」

個々の感想の後に空は悔しそうな表情を見せる。

キレイなループを描いたボールはゴールに吸い込まれていった。

空の悔しそうな表情を見て夏樹はにやりと笑う。

「えへへー、空は攻撃の仕方が変わらないなぁ。」

「うー!!」

「さあ、コンビニでおごってよー!」

「くっそー!!」

ムッとしながら先に外へ進んで行く空を見て、ナオが夏樹へ話かける。

「なんか、車谷くんがあんなあからさまに悔しそうなカオするの初めて見たな。」

そう言うと、夏樹はおもしろそうに言う。

「空は負けず嫌いだからねー。昔から私には全然勝てなかったし。久々でまた負けたのが悔しいんじゃない?」

にやり、という表情しかし物凄く楽しそうに言う彼女。

「ま、空の悔しそうなカオ見んの楽しいんだけどねー。」

「夏樹!?聞こえてるから!!」

空からそう言われ彼女はぺろりと舌を出す。

「あはー、聞こえたかぁ!」

笑って言うという彼女は空の元に走っていき、肩を叩き謝っている。

その姿を見ながらナオの側にマドカがやって来る。

「夏樹ちゃん、バスケ大好きだね。」

「…ですね。」

「もったいないなぁ、女バス、入ってくれたらなぁ。」

残念そうに言うマドカに、ナオは首を傾げる。

その言葉は“すでに誘ったが、断られた”という意味合いであろう。

「え、断られちゃったんですか?」

「うん…、“私にはできません”って。」

「あんなにうまいのに…。」

ナオは視線を夏樹に向ける。

彼女は空と大笑いしながら自販機に向かって行く。

マドカは眉を下げる。

「ナオちゃん、気づいてる?」

「…?」

「夏樹ちゃん、―――、」

その言葉にナオはごくりと息を呑む。








空を仰ぐ。






(私にも、)

(チャンスがあればすぐにつかむのに。)






********

あひる長編で書きたい。
今、upしようと書きため中!
その前に大振りと海賊upしたい\(^o^)/

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06/12(Tue) 18:25
66

ざわざわとざわめく町。

その中で一人キョロキョロと辺りを見回す少女。

彼女――ユカナは写真片手に辺りを行く人々の顔を見る。

人波にもまれて田舎暮らしの彼女は疲れてしまい、立ち止まってため息を吐く。

「もしかしてこの町にはいないのかな…。」

もう一度、写真を見る。

と、その時すれ違った人物に彼女はハッとする。

そして慌てて振り返るとその人物に声をかける。

「――あ、あのっ!!」

「は?」

声をかけると、その男性は思い切り眉を寄せた。

ユカナは慌てて続ける。

「突然すいません!私っ、ユカナといいます!!――あなたが情報屋さんですよね!?」

ユカナのその言葉と同時、彼は焦った様子を見せる。

「――!!しっ!!」

彼は彼女の口元をサッと押さえる。

そして囁くように彼女の耳元でしゃべる。

「誰に聞かれてるか分からねえ。こういう所でしゃべるな。」

「あ、はい…ごめんなさい。」

謝罪すると、彼はユカナから離れる。

そして、煙草を吸うとめんどくさそうに彼女に視線を向けた。

「…それで、あんたみたいなフツーの女の子がオレみたいな裏家業の奴に何の用だ?どこでオレのことを聞いた?」

探るような、疑うような視線で彼は問う。

それにユカナはしどろもどろになりながらも答える。

「私、あの、とても困っていることがあって、そんな時にある手紙が届いて…その手紙にあなたのことが…写真も。」

先程まで手にしていた写真を見せると、彼は怪訝な表情を見せる。

「それで助けてほしくて、それでここまで来たんです。」

「……オレは自分のやりたい仕事しかやらねえ。助ける、なんて他の奴らに頼みな。警察もいるだろ?」

「…私、疑われてるから。警察の人には頼れない。」

「そんなのオレの知ったことじゃねえよ。自分でなんとかするんだな。人に頼るな。」

そう言われ、ユカナは彼の存在を知ってから頼ろうとすることしか考えていなかったことに気づく。

自分でなんとかしようと考えることをやめてしまったのだ。

それに気づきユカナは声のトーンが下がる。

「……そう、ですよね。ごめんなさい。突然…。自分の力で、なんとかします。」

とぼとぼ歩いていると、下を向いて歩いていたせいか、彼女は通りすがりの人にぶつかる。

「きゃ、ご、ごめんなさいっ。」

「ごめんなさい、じゃねえよなあ、ぶつかっといてそれだけかい、お嬢さん?」

強面の男の姿にユカナは慌てる。

「あ、あの、私っ、」

「お詫びがしたいならこっちに来いよ。ほら、な?」

「す、すみませんでも私、」

「早く行こうぜ。」

ぐい、と手を捕まれ、いくら離れようとしても離れることはない。

誰かに助けを求めようと口を開く。






「自分でなんとかするんだな。人に頼るな。」








また誰かに頼ろうとしてしまった。

ユカナは口を閉ざし、目をぎゅっと瞑る。

その時、捕まれていた腕が緩くなり、逆の手をつかまれる。

「?」

「――悪いけど、この子、オレに用があるらしーんだよね。」

ニッコリ。

そう笑って黙らせると彼――情報屋はユカナの手を引いて歩き出した。

しばらく歩くと、彼は腕を離してユカナを見ると尋ねる。

「――なんで声をあげないワケ?あーゆう奴らの思うツボだぜ?」

ユカナはしゅんとしながら口を開いた。

「…さっき、人を頼るな、と言われたばかりだったから。」

そう答えると彼は深く息を吐いた。

「そーゆう意味じゃねえよ。あー、もう行くぞ!!」

「えっ、あ、どこへ!?」

「あんたの話、聞くっつってんだよ。」

「ほっ、本当ですか!?」

目を輝かせ、彼の横に小走りで追いつく。

情報屋は今日何度目かわからないため息をついた。

「あんた、ほっといたらまた面倒なことに巻き込まれそうだし。」

「あっ、ありがとう!じょうほ、むぐっ!!」

“情報屋さん”と口にしようとした途端、口を思い切り押さえられる。

「………オレはヨースケだ。」

「ヨースケさん!よろしくお願いします!!」

「…………。」

情報屋改め、ヨースケの後を嬉しそうについていくユカナ。

嬉しそうについてくるユカナを見てヨースケはため息をついたのだった。











(なんかめんどくさそうなことに巻き込まれちまったな…。)

(情報屋さ、…じゃなくてヨースケさん優しそうな人でよかった!)





*****
自分の夢で見た話をちょっと長編チックに考えてみた。
夢の中でもいろいろ頭の中では想像ひとるんだなあ。笑
いちお、オリジナル。

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06/01(Fri) 19:13
65

人混みの中を歩いていると、ドシンと誰かにぶつかってしまう。

それに思ったよりも衝撃を受け、つい言葉を
発する。


「痛、ちょ、でかい図体なんだからちゃんと前見て歩きなさ…、」


キッとしながら言うが彼女の動きは止まる。

ぶつかった“彼”は慌てて振り返る。


「ご、ごめんなさい!」


その鎧に包まれた“彼”の姿に彼女は止まる。


「………あ。」


「――?」


彼女の反応に“彼”は不思議そうな表情を見せる。

彼女は首を振ると“彼”に笑顔を見せる。


「うふふ、ごめんなさい。鎧が痛くてね、つい。」


「あ、いえこちらこそごめんなさい。」


ぺこりと頭を下げる“彼”に彼女は微笑む。


「あなた凄く大きいのね!」


「ああ…ウン。」


「身長は何センチくらいあるのー?」


「あ、ええと、」


ほんわか、和やかに話をしていると鎧の“彼”の背後から声が聞こえてくる。


「おい!アル!!なにやってんだ!!」


「あ、ごめんぶつかっちゃったんだ。」


ひょこ、と鎧の影から現れた“彼”は鎧と比べてとても小さい。


その“彼”を見て彼女は核心を得た。


“彼ら”が、“彼ら”である。


その思いを胸に秘めながらも、彼女はつい、その対称的な2人を見比べる。

その視線に気づいたのか小さい“彼”はこめかみをピクリとさせる。


「おい、アル!!お前ほんわか〜と話してっけど、ぶつかった瞬間のこの女!!聞いてたのかよ、すげー暴言吐いてやがったからな!」


「あら、なんのことかしら。」


「そうだよ。この人、いい人だよ。ボクのこの鎧見ても怖がらなかったし。」


「ほらね。弟くんが言うんだから。」


そう言うと2人は顔を見合せる。


「「ねー。」」


「………。」


その様子に“彼”は不機嫌そうな表情を見せると鎧の“彼”を置いて歩き出す。


「おい、行くぞアル!」


「あ、兄さん!――ごめんね、もう少し話したかったんたけど…。」


彼女はにこりと笑い首を振る。


「気にしないで。私が気にさわること言っちゃったから。――それに、またすぐ会えるわ。」


「――?それって、「アル!!」あ、ごめんまた!」


「うん。またね。」


にこ、と笑い彼女は手を振った。

そしてある場所へ歩き出す。












「兄さん、なにそんなにせっかちに歩いてるんだよ。せっかく仲良くなれそうだったのに。」


後ろを振り返りながら言う弟、アルフォンスに
兄であるエドワードは未だ難しそうな表情をしたままである。


「アル、お前違和感を感じなかったのか?」


「…違和感?」


「あの女、オレ達を見比べてそれでお前のこと“弟”って言ったんだぞ。」


「――あ、」


確かに、とアルは呟く。

この兄弟の見た目では2人を兄弟だと思いつく者は少ない。


まして、たまたま兄弟だと思ったとしてもアルの方を“弟”と思うはずはない。

彼らのことを知っていなければ普通に考えて“ありえないこと”である。


「――あの女、怪しいぜ。」


「ウーン、そうかなあ。確かにちょっと不思議な雰囲気だったけど…。――あ、でもそういえば、」


「なんだよ。」


「さっきあの人が“またすぐ会える”って。」


「―――なんだって?」


エドワードは眉間に皺を寄せた。
















「たーだいまー!!」


ばたん、と彼女は帰ってくる。


「ああ、お帰り。いつ見ても君は可愛らしいね。」


「ははー、大佐はほんっとしょうがないなー。あ、リザさん!!」


「お帰りなさい。いい物は買えた?」


「へへ、うん!それに会いたい人にやっと会えたの。」


「あら、そうなの?」


「なにっ!?誰だそれは男かね!?」


「大佐うるさいです。」


「ぐ、」


いつものようにリザが大佐を言い負かせた。

と、その時である。


部屋のドアが勢いよく開いた。



――バタァァン!!



「――大佐!!調べたい奴がいるんだけど!!大佐の無駄な権力で調べられねえかな!!あーでも名前も知らねぇしなあ!くそ、これなら聞いときゃよかった!!」


「なんだね鋼の。無駄な権力とは。」


小さな“彼”の台詞に大佐はムッとしながら返す。


「それにどこの誰か、まして名前も知らない人物は私の人脈をもってしても見つけるのは難しいと思うがね。」


勢いよく入ってきた“彼”に遅れてもう一人入ってくる。


「兄さん!!まったく、ちょっとは礼儀ってものをー、あ!」


鎧の“彼”の様子に小さな“彼”は振り返る。


「なんだよ、アル………ああ!!お前!!」


「あ、やっぱり会えたね。」


絶句する彼らに彼女はにこりと微笑んだ。






******


鋼!
トリップしてて、すでに何年かをそこで過ごしている彼女の話。
物語の主人公(鋼の兄弟)に会いたくて楽しみにしていた。

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