恋愛小説を書きたいあなたに10のお題(敬×芹)

□恋占い
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「今日のね、裕真の運勢は・・・恋愛運そこそこだって、結構いいみたいよ!」
「あのな、麗奈。俺にそんなこと話してどうするんだよ!」
裕真君と麗奈ちゃんはなんだかんだで、一緒にいることが多い。
「あっ、美依・・・。あんた、今日一番運勢がいいみたいよ!ここらで、どう?敬大の奴に告白でも。」
そうにこにこしながらいう麗奈に、
「芹沢さんが困ってんだろう。突然いうんじゃねえよ。」
裕真が麗奈にいう。
恋愛運最高か・・・。
私は、どちらかというとそういうことには無頓着で、クラスの友達たちがいつもその話をもってきても、話の波にのれない・・・。
なんでだろう。
それは、多分私は敬ちゃんしか見ていないから・・・。
そして、敬ちゃんのセレナに対する愛には勝てないと思っているから・・・。
かなわない恋。
「辛い」といえばつらい。なんせ、振られる前から、振られるも同然だ。
もし、正式に振られたら、敬ちゃんとは友達としてもいられない・・・。
そんなの絶対嫌!
「ごめんね。麗奈ちゃん・・・。私、あんまりそういう占いとか信じないんだ・・・っていうか、信じたくないんだ。たとえば、私と敬ちゃんの関係を否定されても、私はずっと敬ちゃんとずっと一緒にいたいし・・・。」
そう私がいうと麗奈は、
「・・・その気持ち・・・痛いほどわかるわ。私だって、蒼一に対する恋は真剣だったもの。たとえ否定されても、私は蒼一と一緒いたかった。」
そう麗奈がいうと、
「俺もそうだったなぁ。芹沢さんてばさ・・・ずっと、敬大のことばっかじゃん。俺のことなんて全然眼中にないし・・・。でも、大好きなんだ。例え、相性が悪いとかいわれても一緒にいたいってあの頃は思ったよ。」
し、しまった。
わたしは、この前、裕真君は振ったばかりだった。
裕真君の気持ちは嬉しかったし、裕真君自身も私好きだけど、敬ちゃんがいる以上、「いいよ。」とはいえなかった。
「ご、ごめんね。裕真君。変なこと思い出させちゃって・・・。」
そういうと、
「別に・・・あの時は・・・まぁ、こうなるだろうな・・・って予想はついてたしさ、でも、絶対って思ってたことが一つ、覆されたんだ。」
裕真君がそういう。私は
「覆されたことって・・・。」
裕真君は、
「たとえ振られても・・・芹沢さんは俺と一緒にいてくれる・・・。絶対離れていかないってこと。俺たちはたとえ、一番じゃなくても、親友同志だってことだよ。そして・・・。」
少し、言葉をためらった裕真に対し、麗奈は、
「私が、告白したのよ。裕真にね。人の気持ちって不思議よね。あんだけ、蒼一のことしか頭になかったのに、支えてくれたのは、裕真や美依だった。私、あんたたちに逢えて本当によかったと思えるんだ。それに、裕真が潔く、告白したのも、私は気に入った。私は多分蒼一への気持ちは吹っ切れないけど、わかりあえる人・・・そんな人とずっと一緒になりたかったんだ。」
少し照れながら麗奈はいった。
「・・・そうだったんだ。おめでとうっていうべきなのかなぁ。なんか複雑だよ。」
「おめでとうでいいんだよ。俺たちはずっと一緒にいられるだろ。だからさ、芹沢さんも敬大にガツンっていってきなよ。大丈夫!敬大はヘタレだけど、誰よりもやさしくて、そして誰よりも芹沢さんのこと慕ってるんだ。自信もちなって。」
裕真の言葉が嬉しくて、私は少し涙を流した。
「・・・わたし、敬ちゃんに告白してみようかなぁ。」
そういうと、麗奈ちゃんは、
「がんばんなさいよ!あんたまでふられたら、私たち「ふられ同盟」になっちゃうんだから!」
裕真君も、
「自信もって頑張って!俺、悔しいけど、敬大の横で笑ってる芹沢さんのこと・・・大好きなんだ。」
二人がポンと肩を叩いた。
甘えるわけにはいかない。
私だって、一歩踏み出さなければ・・・。
裕真君も麗奈ちゃんも必死に頑張ったんだ。
私がガンバなくってどうするの。

****
「よし、ファイトだよ!」
今、私は敬ちゃん家の前にいる。
学校でいうわけにもいかないから、
私は敬ちゃんに家に帰ってて、といった。
よし、
「おじゃまします。」
今日は、蓮華さんもいないみたい。敬ちゃんが自室から出てきた。
「お、芹沢。上がれよ。」
敬ちゃんはいつもどおりにこやかだ。
「ねぇ、敬ちゃん・・・今でも、敬ちゃんの一番はセレナ?」
ブッ、敬ちゃんは飲んでたウーロン茶を少し吹いた。
「な、な、何・・・突然?」
「あ、あのね。敬ちゃん、私って敬ちゃんの何?」
ういうと敬ちゃんは、
「何って親友だろ。」
その答えに、
「やっぱ親友どまりなのかなぁ・・・。」
そう敬ちゃんにいうと、敬ちゃんは顔を赤くして、
「い、いや、ただの親友じゃないよ・・・大切な親友だ。」
そう敬ちゃんが焦っていうと、私は、
「私は、ロレイウス?」
敬ちゃんにそうたずねると、
「芹沢の前世はロレイウスだよ。でも、芹沢は芹沢だよな。よくよく考えると本当に失礼なことをしてきたって最近感じてる・・・ていうか、凌さんに説教される。『裕真をセレナとしてしかみないんだったら、裕真自身はどうなるんだってね。』だから、俺、芹沢をちゃんと芹沢美依として見ると・・・。」
そういいかけたところで、
「ただいま!」
父と母が帰ってきたようだ。
反射的に敬ちゃんは私を庇うような姿勢になって倒れこんでいる。
ドキドキ・・・
私の心臓は爆発寸前だ。
でも、敬ちゃんにふれていると、敬ちゃんからも心臓の音が聞こえてくる・・・。
これは、少し・・・期待してもいいのかなぁ。
「ご、ごめん。芹沢・・・。反射的に・・・」
そう言い訳する敬ちゃんに私は、
「謝っちゃうの?今の?」
意地悪っぽくいう。
「えっ。」
敬ちゃんはポカンとしている。
「私は、敬ちゃんと親友以上を望んでるんだよ!わかる?」
必死の訴えだ・・・流石にストレートに好きだとは言えない。
「・・・それって、お前、お、俺のことす・・・好きってこと?」
そういう敬大の顔は真っ赤。
私の顔も真っ赤だ。
「そう、私は敬ちゃんの恋人になりたいって思ってる。」
言えた。ここで返ってくる答えは多分、NOだろう・・・そう半ば諦めつつ。
「お、おれも、最近、芹沢は見ても、芹沢のこと『ロレイウス』とかぶんなくなってきたんだ。誰よりも愛おしい女の子。そう見るようになってきた。でも、問題は裕真の方、俺は裕真を見るとセレナを思い出す。そして、彼女にこの気持ちがわかってしまうのが辛いんだ。」
辛そうな口調でいう。
私は、思わず敬ちゃんを抱きしめると、
「セレナは多分、敬ちゃんのこと本当に愛してたから・・・きっと幸せになってほしいって思ってると思うよ。セレナのこと、忘れることはないんだよ。むしろ、覚えている方が私はいい。でも、苦しむことはないの。だって、敬ちゃんは現世に生まれてきたんだから・・・。記憶をもって生まれてきた敬ちゃんは本当に大変だって思ってる・・・。だから、そばにいたいって思ったの。でも、私、卑怯だった。裕真君や麗奈ちゃんが自分の気持ちをストレートにいうのに、私は親友としてでもいいから、敬ちゃんと一緒にって思ってた。でも、私、敬ちゃんのこと本気だから・・・覚悟しててね。」
そういうと、敬大は、
「俺よりも芹沢の方が辛くなるかもしれない・・・俺、悩み全部お前にいうから・・・セレナのこともわすれられないし・・・。でも、俺、芹沢のこと、大好きだ。今、多分セレナが現れても、お前を選んでしまうかもしれないくらい・・・。」
そういわれると私は涙をこぼす。
「ありがと。敬ちゃん。」
そういって、私はもう一度敬ちゃんに抱きついた。
彼の温もりを感じるかのように。

うらないなんてしんじないよ・・・。
そういった自分に少し反省しつつ。

(END)
いかがでしょうか。お題その4「恋占い」でした。
もう、本編から逸脱してますね・・・。難しい。
次回こそは・・・本編に沿ったギャグを・・・。と思うRURIでした。

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