TOS、S-R
□君のために、あなたのために
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「何よ、エミルなんか知らない!」
「こっちだって知るもんか!」
「「ふんっ!」」
旅の途中の宿屋でのこと。そこに響くのは二つの怒鳴り声。エミルとマルタである。
理由は些細なこと。二人の意見が見事に食い違い喧嘩になってしまった。
「もーどうしたのさ二人とも。喧嘩なんてらしくないなあ」
ジーニアスは事態を収めようとするが二人は聞く耳持たずの状態。
「あなたたち、いい加減にしなさ
い」
「僕は謝りませんよ」
「私だって謝りません」
リフィルの言葉も今の二人にはまたくきかない。
「姉さん、どうしよう?」
「…しかたないわね、放っておきましょ」
「…そうだね…」