竜の目

□番外編・竜に首輪
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「おい、」

「えっ?」

ゾロが呼び止めると、倉庫を出ようとしていた名無し子はすっとんきょうな声をだして振り向いた。

「もー、何?さっきから・・・」

「やる。」

ぶっきらぼうな声と共に差し出した手。慌てて名無し子がその手の下に手を出すと、ポトリと指輪が手のひらに落とされる。

「指輪・・・?」

「おう。」

「こういうのはナミかビビに・・・」

「ぐる眉がうるさくなるだろ。」

ああ、なるほど。と名無し子は妙に納得して苦笑した。

「いらないなら売ればいいじゃん。」

「絶対なくす。」

ああ・・・。とこれにも納得したようで、名無し子は再び苦笑する。

「じゃあ、」

「いいから貰っとけ。売るなりなんなり好きにすりゃァいい。」

「でも、」

「大して高くも無ェらしいし、元々貰い物だ。これ以上言わせんな。」

ゾロがそう言うと名無し子は押し黙る。

暫くの沈黙の後ゾロに向けられたのは、

「ありがとう、好きにする。」

謝礼とほんのり染まった頬とはにかんだ笑顔だった。



















竜に首輪
(お前をここに繋ぎ止める何かが欲しい)
(この気持ちをもう認めるしかない)


















090710
前回番外とは逆にゾロ視点で。
・・・焦れったい!

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