竜の目
□第九話・ウイスキーピーク
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「おい!起きろ!!」
「・・・ん?サンジ?何?」
名無し子はぼんやりと目を開く。
「船がやべェ!名無し子も手伝え!!」
「えっ?灯台は!?」
「もうとっくに出た!!」
「えぇ!?お別れ言ってないじゃん!!!」
「そんな事より船手伝え!!」
そういうとサンジは慌て走り去る。
「・・・寒っ。」
名無し子はぷるりと一度震えると、腕に抱いた箱を定位置に戻し倉庫を飛び出した。
するとそこには何故か残雪が。
「・・・?」
そして更に見覚えのある人間が・・・
「あれ?Mr.9?ミス・ウェンズデー・・・何で??」
「遅ッ!!!」
「名無し子!!いいところに!!あんたも手伝って!!!」
「わかった!!」
ナミが指示を出す中、ゾロ以外は必死に動き回ったのだった。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「ん〜〜〜〜〜・・・・・・くはっ、あーーー寝た・・・・・・ん?」
ゾロが目覚めるとぐったりとした船員達の姿が。
「・・・・・・おいおいいくら気候がいいからって全員ダラけすぎだぜ?ちゃんと進路はとれてんだろうな。」
(((((お前・・・!!!)))))
「・・・・・・何でお前らがこの船に?」
「おそーーーっ!!!」
ゾロは同船者に初めて気付く。
「今そいつらの町へ向かってるんだ。」
「まさか送ってやってんのか?何の義理があるわけでもなし。」
「うんねェよ。」
ルフィの言葉に名無し子がピクリと動いた。
「おーおー悪ィこと考えてる顔だ・・・名前・・・何つったかなお前ら・・・!!」
ゾロがしゃがんで問うと、二人はぎくりと引きつった。
「ミ・・・Mr.9と申します。」
「ミス・ウェンズデーと申します・・・・・・。」
「そう・・・どうもその名を初めて聞いた時からひっかかってんだ、おれは。」
「「・・・・・・!?」」
「!」
ゾロの言葉に名無し子も反応する。
「どこかで聞いたことある様な・・・ない様な・・・!!まァいずれにしろ!!!」
ゴン!!
「・・・あんた今までよくものんびりと寝てたわね。起こしても起こしてもグーグーと・・・・・!!」
「あァ!?」
突然理由無く(そう思っているのはゾロだけだが、)ナミに殴られたゾロはギロリとナミを睨む。
ゴゴゴンっ!!
「気を抜かないでみんな!!」
「????」
ゾロは更に増やされた瘤をさすっている。
「まだまだ何が起こるかわからない!!!今やっとこの海の恐さが認識できた!"グランドライン"と呼ばれる理由が理解できた!!この私の航海術が一切通用しないんだから間違いないわ!!!」
ナミは胸を張って捲し立てる。
「大丈夫かよオイ。」
「大丈夫よ!!それでもきっと何とかなる!!その証拠に・・・ホラ!!」
ナミが海霧の先を見るよう促す。