竜の目
□第六話・嵐の出航
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(ルフィはホントに平気かな…?)
ローグタウンに着くと、各々の私用の為に散り散りになった麦わら一味。
しかし名無し子は船長を案じていた。
結構な量の釘をナミが刺していたが、どうしても無駄になる気がしてならない。
普段のルフィを見ればそれも当然。
ましてや最近は能力者の大佐が来たとかでグランドライン直前に捕まる海賊が増えたのだ。
まだそこまで広まっていないとは言え、ルフィは賞金首に指定されたのだから、慎重に動くに越したことは無い。
(用事が終わったらルフィのとこに行こう…。)
ひっそりと心の中で呟くと、名無し子も早速自分の目指す場所に向かった。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「ネルソンねぇ…グランドラインに入った、位しか情報はないよ。」
「そうですか…。」
「悪いね。…でもネルソンって言ったらかなりキツいんじゃないかい?アンタ、神速の名無し子だろう?」
「ぇ、あ…まぁ…、」
やはり黒ずくめと言うのはわかりやすいらしい。
「悪い事は言わないから、イーストブルーの平和だけを守っていた方がいいさね。」
「…、はぁ…。」
何も情報はなく、その場をあとにした。
(あー、やっぱりグランドラインに入らないと詳しいことはわからないなぁ…。)
名無し子は外階段をカンカンと降りて、歩道に向かう。
(それより、おれの名前がここまで伝わってるってことは、そろそろ麦わらの一味って話も伝わるかもしれない。)
それはゾロにも言えることで、賞金稼ぎとして名を知られていると言うことは、"賞金稼ぎの○○さんが一味に入った"と言う一言で済むと言うことなのだ。
なるべく海軍は避けた方が良いかもしれない。
(間違っても最近入った大佐なん、)
ズルッ!
「てぇぇぇえッ!?」
持ち前のうっかりで階段を踏み外した名無し子。
歩道にべしゃりと飛び出ることを想定しながらも、体勢が崩れていてどうにも出来ない。
ボスンッ