竜の目

□番外編・ツインテールな女の子
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今日もゆらゆらと揺れ、海原を行くゴーイングメリー号。



そして思い思いに穏やかな時間を過ごすクルー達・・・







「おれ達はシロイヌ海賊団!へっへっへ!!有り金全部出せや!!!」











「な・・・な・・・ッ」



「何だコレ―――――ッ!!!?」






とはいかないようだ。















番外編


























「ふぁ〜〜〜・・・・・・、んく・・・・・・眠・・・」


午前のメニューは筋トレとゾロとの手合わせ。その後はシャワーを浴びて昼を食べ、倉庫で寝る。

それがいつもの名無し子の生活リズムである。


(・・・喉乾いた・・・)

名無し子はふらふらと倉庫を出る。
何時もよりもクラクラとする頭に違和感を覚えるも、寝過ぎたかもしれない、と自己完結した。

何時もより視界が明るいことにも気付かずに。



目の前にはハートの目から涙を流すサンジが。


「何で名無し子は男なんだーっ!」

「・・・今更何だよ・・・。」

そのセリフにあからさまに不機嫌になる名無し子。


しかしサンジは尚嘆き続ける。


「あら、起きたの?おはよう名無し子。」

「お、おはよう名無し子さん。」

ナミは含み笑いで、ビビは目を逸らして挨拶をする。


「・・・?何だ?何か隠してる?」

「何も?どうしたの?」

不思議そうに名無し子は二人を見るが、何もと言う返事しか返って来ない。

名無し子は何時もより強く感じる日差しに手を翳した。


「今日は一段と日差しが強いな・・・水飲んだら直ぐ倉庫だ。」

「ぷ、」

「ナ、ナミさん!」

その言葉に笑いを耐えるナミにビビは慌て出す。





「おお、名無し子!やっぱお前女みたいだな!」

「オ、オイルフィ!!」

ルフィが釣り竿を持ったまま、特等席から名無し子を指差して笑う。
そしてその隣でウソップが空気を読めなどと耳打ちしている。






「――――は?」


その言葉に名無し子の額にビキリと青筋が立つ。




それを尻目に、船尾からやってきたゾロがクルー達に向かって言う。



「何か後ろから船来てんぞ。」



「敵襲かッ!?敵襲ーっ!!!」

「船って?」

「海賊船。」


その直後、


「シロイヌハ〜〜ンドっ!!!!」


ドスンッ!!!


「何だ!!?」

よくわからない叫びと同時に船体が大きく揺れる。


「うわっ!わわっ!」


「あーーーっ!船がッ!!!」


白い獣の手のようなものがガッチリとメリー号を掴み、爪だと思われる部分が船体に食い込んでいる。


「ぎゃーーっ!何しやがるんだゴラァッ!!!」

ウソップは震えながら叫んだ。


「おれ達はシロイヌ海賊団!へっへっへ!!有り金全部出せや!!!」


シロイヌ海賊団の船はイヌの様な中型の海王類に括り付けられている。

「ハッハッハッ、クゥーン。」

「よーし!偉いぞシロ!!野郎共!やっちまえーッ!!!」


「オオオオオオオ!!!」



シロイヌ海賊団は雄叫びと共にシロと呼ばれた海王類の腕を伝ってくる。



「・・・ありゃァいい食材になりそうなイヌだぜ。」

「うはーっ!あれが今日の晩飯かっ!!?でけーーっ!!!」

「ゾロ!名無し子!おれが後ろから援護する!ので、安心して突っ込んでくれたまえ!!」

「・・・わかったよ。」

「言われなくとも。」




「ウオオオオオ!!!」


そしてゴーイングメリー号は一時戦場と化すことになった。










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