竜の目

□第十二話・リトルガーデン
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「あれかァ〜〜〜〜っ!!!"グランドライン"2つ目の島だァ〜〜〜っ!!!」

ルフィが歓喜の声をあげた。

「――――・・・気をつけなきゃ・・・・・・。ミス・オールサンデーの言っていたことが気になるわ。」

「か・・・!!か・・・!!怪物でも出るってのか!!?」

「さァわからない」

今回の島リトルガーデンは、ウイスキーピークを出航した時のミス・オールサンデーの言葉を思い返せば気は抜けない。

「そろそろ食料を補給しねェとな・・・この前の町じゃ何も貯えてねェし。」

「―――っつってもおい・・・こりゃあ・・・・・・・・・まるで秘境の地だぜ・・・生い茂るジャングルだ。」

「ここが"リトルガーデン"・・・・・・!!」

「――そんなかわいらしい名前の土地には見えねェぜ?」

「どの辺がリトルなんだ・・・・・・!?」

クルーがそれぞれ言うように、目の前の島には生い茂るジャングル。あまりにも広大に見えるそれに、"リトル"はどこまでも不似合いだ。

「・・・・・・だいたい見てよ!!こんな植物・・・私、図鑑でも見たことないわ。」

「ギャアッギャアッ!!!」

「きゃあ!!!」

大きな何かが空を横切る。

「何!!?今のっ!!!」

「・・・・・・ナ・・・ナミさんったらかわいいv」

怖がるナミを余所にもちろんサンジはにやけ顔だ。

「大丈夫さ。ただの鳥だよ。そしてここはただのジャングル。心配ねェ!!」


ドォン!!


「!!?」

サンジが言った矢先、とても尋常とは言えない轟音が響いた。

「これが・・・ただのジャングルから聞こえてくる音なの!!?」

「まるで火山でも噴火したような音だぜ今のはっ!!?」

「・・・普通じゃないよね・・・。」

ガサ・・・!!

「グルルルル・・・」

「!!」

「虎・・・!!?」

草陰から大きな虎が顔を出した。


ドサ・・・!!


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!?」


かと思えば、虎は地に伏した。その体は血に濡れている。

「普通じゃないわっ!!絶対普通じゃない!!!何で"ジャングルの王者"の虎が血まみれで倒れるの!!?」

「・・・それより強いのがいるんじゃ・・・」

「冗談じゃないわよっ!!」

名無し子の言葉をナミが遮った。

「こ・・・この島には上陸しないことに決定っ!!・・・船の上で"ログ"がたまるのを静かに待って・・・!!一刻も早くこの島を出ましょ・・・!!!は・・・早くアラバスタへ行かなきゃね。」

ナミの最もな言葉にウソップは頷くが、その最もな言葉に思い切り背く人間が・・・

「サンジ!!弁当っ!!」

「弁当オっ!?」

「ああ!!『海賊弁当』!!!」

ルフィは元気よくサンジに声を掛けた。その顔は・・・

「冒険のにおいがする!!!」

満面の笑み。

「ちょ・・・ちょっと待ってよあんた!!!どこいくつもり!?」

「冒険。しししし!!来るか?」

あまりにイキイキとしたルフィにナミは為す術もなく静かに涙を零した。

「サンジ弁当ーっ!!」

「わかったよ、ちょっと待ってろ。」

キッチンに消えるサンジを見送るルフィの後ろでビビが思いついた顔をした。

「・・・・・・ねェ!!私も一緒に行っていい!?」

「おう来い来い。」

「あんたまで何言うの!?」

「・・・」

ビビの申し出にナミは驚き、名無し子は目を見張った。

「ええ・・・じっとしてたらいろいろ考えちゃいそうだし、"ログ"がたまるまで気晴らしに!!」

「でもビビ、」

「大丈夫よ!!カルーがいるから。」

何をやらかすかわからない船長と一緒に行くことを心配した名無し子の言葉は、ビビのにっこり笑っての発言に遮られた。

「・・・・・・・!!・・・・・・!!!」

「本人言葉にならないくらい驚いてるけど・・・。」

一方指名された当のカルーは目を見開き、冷や汗を惜しげもなく垂れ流している。

「じゃあビビちゃんに愛情弁当を。」

「カルーにドリンクもお願いできる?」















★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★











「よし!!行くぞ!!!」

「おおよそで戻って来るからっ!!」

ルフィとカルーに乗ったビビが船に手を振り、生い茂るジャングルに消えて行く。

「度胸あるな、ミス・ウェンズデー。」

「さすが敵の会社に潜入するだけあるわ。」

「じゃ、おれもヒマだし散歩してくる。」

「散歩!?」

船を降りるゾロにウソップは今日何度目かになる驚愕の表情を浮かべる。

「おいゾロ!!待て待て!!」

「ん?」

サンジが船の上からゾロを呼び止めた。

「食料が足りねェんだ。食えそうな獣でもいたら狩ってきてくれ。」

「ああわかった。お前じゃとうてい仕留められそうにないヤツを狩ってきてやるよ。」

ゾロは船に再び背を向け、ジャングルへと歩を進める。

「待てコラァ!!!」

「あァ!?」

「聞き捨てならねェ・・・!!!てめェがおれよりデケェ獲物を狩って来れるだと・・・!?」

「当然だろ!!」

やはり二人は二人。いつものように険悪な雰囲気になってしまう。

「狩り勝負だ!!!」

「おれも走りこみしてくるね。」
名無し子はそんな二人を気にもとめずに、いつの間にか用意した水筒を持って船を降りた。

「・・・どいつもこいつもなんであいつらあんなにこうなのかしら」

「いいか!!"肉何kg狩れたか勝負"だ!!」

「何tかの間違いだろ。望むところだ。」

「わかるぜその気持ち。泣くな、おれはおめェの味方だよ・・・!!」

涙を流す二人を置いて、三人はジャングルへと消えていく。

















「「は」」


ナミとウソップは同時に小さく声を上げた。









「たよりね〜〜〜〜」

「それは私のセリフよ!!!」








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