竜の目
□第七話・始まり
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「"グランドライン"の入り口は山よ。」
「山!?」
導きの灯が消えてしまい、ここからはナミの航海術でグランドラインの入口に向かわなければならない。
しかしその入口が山とはどういうことかと揃って首を傾げる。
「そう!海図を見てまさかとは思ってたんだけど、これ見て。"導きの灯"が差してたのは間違いなくここ。"レッドライン"にあるリヴァース・マウンテン。」
「何だ山へにぶつかれってのか?」
「違うわよ。ここに運河があるでしょ。」
「運河?!バカいえ。運河があろうと船が山に登れるわきゃねェだろ!!」
「だってそう描いてあんだもん。」
「そうだぞお前らナミさんの言うことに間違いがあるかァ!!」
「そりゃバギーから奪った海図だろ!?当てになるかよ。」
「山登んのか船で!!おもろーーっ!!!"不思議山"か!」
「変わった入口だな…。」
運河を登る、というのは重力に従い降りる流れに逆らわなければありえない。
しかし船が流れに逆らうなんてありえない。
それこそモーターだのが付いていないと。生憎メリーは極一般の帆船だ。
「だいたい何でわざわざ"入口"へ向かう必要があるんだ。南へ下ればどっからでも入れるんじゃねェのか?」
「それは違うぞお前っ!!」
「そうちゃんとわけがあんのよ。」
「入口から入った方が気持ちいいだろうが!!!」
ガン!
「違うっ!!」
ゾロの質問へのルフィの見当違いの答えにナミが突っ込む。
「おい!!あれっ!?嵐が突然止んだぞ。」
「本当だ、静かだ。」
「……え…そんなまさか…、嵐に乗って入口まで行けるハズなのに…」
「おーーっいい天気だーっ!!どういうこったこりゃー!はっはっはっはっはっは!!」
ルフィが外に出て、空を仰いだ。
「しまった…"カームベルト"に入っちゃった…」
「カームベルト?」
「何だそりゃ。」
「お、向こうはまだ嵐だ。こっちは風もねェのにな…」
「…カームベルト?!」
ナミの呟きに名無し子は記憶を遡り、思い出した事実に驚愕する。
「あんた達のん気なこと言ってないで早く帆をたたんで船を漕いで!嵐の軌道に戻すの!!!」
「はいナミさんv」
「わかったッ!」
「何あわててんだよ。お前漕ぐってこれ帆船だぞ?」
「何でまたわざわざ嵐の中へ。」
「いいから言うこと聞け!!!」
カームベルトを知らないウソップとルフィがナミに問い掛けた。
「せっかくこんなに晴れてんのに。」
「じゃあ説明してあげるわよ!!今この船はあんたがさっき言った通り南へ流れちゃったの!!」
「へェ、じゃあ"グランドライン"へ入ったのか?」
「それができたら誰でもやってるわよ!!!」
ナミがゾロの意見をバッサリと切る。
「"グランドライン"はさらに二本の海域にはさみ込まれて流れてるの!!それがこの無風の海域"カームベルト"!!!」
「"カーム"ね…どうりで風がねェ。―――で?それが一体…」
「要するにこの海は……」
「!」
ドォォォォォ!!
「うわっ何だ何だ地震か?!」
「バカ!ここは海だぞ!!」
「来るよ!」
ザバアッ!!!
「!!!?」
突然メリーが海から離れた。
そしてメリーを囲むでかでかとした怪物達。
「「「………!!!!!」」」
「でか………!!!」
「海王類の………巣なの……」
ナミが起きてしまった出来事に涙した。