竜の目
□第三話・見えない剣
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「おれはいい。あいつの過去になんか興味ねェ!!」
ルフィはぴしゃりと言い切ると、すたすたと歩き出す。
「散歩。」
「散歩ってお前っ!!話聞かねェのか?!」
「うん、いい。」
慌ててウソップが呼び止めようとするも、ルフィは振り返りもせずに行ってしまう。
「……あいつは?」
「気にすんな。ああいう奴さ。話ならおれ達が聞く。聞いて何が変わるわけでもねェと思うがね。」
ゾロが木にもたれながら言った。
「――――で、寝てるし。」
「言ったそばから寝てんじゃねェよ!!!」
「最悪…。」
ウソップは突っ込み、ノジコと名無し子は呆れた。
「……おれは聞くぜ!!理解してェ。」
「おれもv」
「一応。」
「成程…ナミが手こずるわけだ…」
三人が聞く態勢になると、静かにノジコは語り出した。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
『海賊がッ!海賊がここに来る!』
『な、何言ってるの村長…。うちには大したお金も無いのに…』
『違う!奴らの狙いは金じゃない!刀だ!!お前たちの親父が今酒場で殺された!お前たちだけでも逃げるんだ!』
『ッそんな…!』
『村長、刀ってまさか…』
(そうか、ナミの親も海賊に…)
「8年前のあの日から、あの娘は人に涙を見せることをやめ、決して人に助けを求めなくなった…!!!あたし達の母親の様にアーロンに殺される犠牲者をもう見たくないから…!!!」
(だけど、何て決断をするんだ…8年前って言ったらナミは、)
「わずか10歳だったナミがあの絶望から一人で戦い、生き抜く決断を下すことがどれほど辛い選択だったかわかる?」
「……村を救える唯一の取り引きのために、あいつは親を殺した張本人の一味に身をおいてる訳か…」
「あァ愛しきナミさんを苦しめる奴ァこのおれがブッ殺してやるァ!!!」
サンジが怒りを露わに怒鳴る。
ゴン!!
「な…なにをおねーさま……!?」
「それをやめろとあたしは言いに来たんだよ!あんた達がナミの仲間だとここで騒ぐことで、ナミは海賊達に疑われ、この8年の戦いが無駄になる。」
確かに、ここで問題を起こせば8年間ものナミの努力が無意味なものになる。しかし、
「だからこれ以上…あの娘を苦しませないでほしいの!!!」
(…海賊はそんなに純情じゃない。8年だろうと10年だろうと、簡単に踏みにじる…!)
どうしても名無し子には、アーロンがそう易々と村を解放するとは思えなかった。