竜の目

□プロローグ
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少女は立っていた。






変わり果てた自分の家の中で、




一人きりで、

それでも、







「…ない。」





立っていた。













「…名無し子の目がない。」








変わり果てた少年の前で、


それでも立っていた。












外は晴れていた。



窓から差し込む月の光は美しく、少年の睫毛は長く、少女の涙も長く頬を伝う。







「絶対に取り返す…!







あの目は、名無し子の目だから…!」












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