副
□Helpless
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目の前で門が、閉じる。
これで全部終わるのか。
本当は一緒に行きたかった。
何もかも全て捨て置いて一緒に行きたかった。
一度で良いから押入れでなく一護の部屋でゆっくり眠ってみたかった。
一度で良いから一護と二人で遠いどこかへ出掛けてみたかった。
けれども私はこの感情が邪魔なことを知っている。
一護の望んでいるものではないのだ。
一護は私を助けに来てくれた。
ただそれだけのこと。
だから、泣いてはいけない。
私のために…一護のために。
それなのに目の前が滲んで仕方がない。
見える門が、そばにいる仲間が、目に映るなにもかもが。
滲む、滲む。
どうしようも、ない。
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