□猿野君の一日(仮)
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朝の移動は我らが家畜、沢松号だ。
台所にあった鮭おにぎり120円×2を貪りつつ登校開始。
「このやろ自分だけ朝飯食いやがって!!」
そんな声が聞こえた気もしたが気にしないでおくことにした。
じゃんけんで負ける君が悪いんですよ沢松君。
それよりもっと急げよ、朝練に遅れるだろ。

今日は子津が家の事情で朝休みらしい。
癒しの子津に会いたくてここまできたのに…!!
仕方が無いので余り物(ここ重要!!)のキザ虎先輩と組む。
何でも大根先輩は畑の収穫で遅れるだとか。
…わかるような気がする。
また持ってきてくれないかな。
今度は果物がいいです先輩。
朝から生大根はちょっちきついっす先輩。
「Oh、モンキーベイベー。練習中に考え事はご法度だぜ☆」
「バカですかあんたはてかご法度って言葉知ってたんですかびっくりですよ」
「A〜先輩にむかってそんな口聞いていーいのかNe〜?よっ」
「ぎゃうんっ!!痛い痛い痛い!!」
股が裂けんばかりにぎゅうぎゅうと押してくる。
普通に痛いから!!
「これぐらいでカンベンしてやるYo」
「…畜生覚えとけ…」
くそばかめ。
仕返しとばかりに前屈中にわざと頭を狙って地面とキスさせてやった。
「〜〜っ!!酷いZe!!」
オレの知ったこっちゃない。
たまには女の子以外もいいもんじゃねぇの?
ほーらキャプテンがヤキモチ焼くぞー。
「虎鉄君、僕のグラウンドになんてことしてるんだい?」
「いYa〜、これは猿野がー…っておい?!」
逃げるが勝ち、だ。
地面に埋められて大根先輩に収穫してもらえばいいさっ。
その後のキャッチボールの時、辰っつんに子供を見るような目で見られたが気にしない。
大丈夫、心は広い方だから。
モミアゲひっぱるだけで許してやる。
切らないだけありがたく思えよー。

朝練終わった後の古典は正直キツイ。
眠いー眠いー。
机に伏せたいのを必死にこらえ、眠気が少しでも覚めればと辺りを見る。
大抵逆効果なんだけど。
運動場の方を見ると蛇神先輩とほっぺ先輩がキャッチボールをしてた。
ちょうど体育の時間なんだろう。
さすが野球部、一球も外さない。
スゲェなーとか感心してっと蛇神先輩がいきなりこっちを向く。
ほっぺ先輩が怒ったように何か言っているけど気にしてないみたいだ。
気付かれたってことは手振ったほうがいいのか?
先輩だし。
そう言えば、こんな関係の先輩ができたのも初めてだな。
そりゃそうか、部活に入ったことねぇんだから。
こーゆーのも結構楽しいモンだと思う。


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