銀魂小説(NL&オールキャラ)

□青空の向こうに永遠が見える
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青く、透き通るような綺麗な空。
でも夜兎の私にとってはそれが憎らしく感じてしまう。

「暑いヨー、暑いヨー・・・」
ぐったりしながら行く当てもなくただ歩いている。
こうゆう日は家でゴロゴロしてるのが一番なのだろうが家には扇風機すらない(ぼろいのが一台あるけど壊れていて使い物にならない)
外ならちょっとはマシかな?と思って散歩しにいったはいいが外も大して変わらなかった。

「うぅ・・・。太陽のバカヤロー!!ちょっとはいたわりの気持ちをもつヨロシ!!」
太陽を指さし叫んでみるが何にも変わらない。変わるはずがない。

「あー、もうホントに倒れそうネ・・・。どうしよう・・・」
というかここはどこ?私は誰?
ふと目をやると見覚えのある建物があった。
「お、丁度いいアル。ちょっと休ませてもらうネ」
たのーもぉぉぉぉ!
ドンドン、と玄関の扉を叩く。
するとはーい、と中から聞き覚えのある声が聞こえた。

「はいはいちょっと待ってねー」
「よ、ジミー」
「いきなりジミー扱いですか・・・。というかあなたは万事屋のチャイナさん?どうしたの?」
「暑いから休ませるヨロシ」
「いやいやいや勝手にズガズガ入らないで!ちょ、聞いてる!?」

門番のジミーを倒し(というか押しのけ)中に入る。
近くの部屋に入るとクーラーがきいていて涼しかった。
「おー、涼しいアルナァ〜」
「ちょっとちょっと!勝手に入らないで!!」
「そうけちけちするなやジミーさんヨ〜」
「まぁいいけどね。ちょっと待ってて、お茶持ってくるから」
流石はパシリ。客に対する扱いは天下一品だ。家の新八よりもいいんじゃない?
「あ、今副長達仕事してるから静かにだけしててね」
そう念を押してジミーは台所へ向かった。

「・・・マヨが仕事してるのかぁ・・・」
邪魔すると怒るかな?
そう思うと無性にからかいたくなって(我ながらSな考えだ)マヨの部屋を探してみることに。

「マヨの部屋はっと・・・。ん?ここたばこ臭いアル」
マヨの部屋と思わしき部屋の前で立ち止まる。
仕事の邪魔して怒られるのはどうせ私をここに入れたジミーだろ。
にしし、と笑って思い切り部屋の戸を蹴飛ばした。

バンッと大きな音をたてて戸がはずれた。
「!!?」
と同時にマヨが驚きこちらを振り向く。
「よぉニコチン中毒。ちゃんと仕事してるアルカ?」
「・・・お前が来るまでは順調だったよ・・・」
にたぁ、と笑うと明らかにイライラした様子で怒鳴られた。
「というかテメーなんでここにいる!?」
「どこにいようが私の勝手アル」
そう言うとどうやらマヨは感づいたのかあンの山崎の野郎、と愚痴っている。
ドンマイジミー、きっと後で怒鳴り散らされるんだろうなぁ。

「なんですかィ土方さん、そんなに怒鳴り散らして。乱心ですか?」
「オレじゃねぇ!乱心してんのはこいつだ!!」
ビシッと私を指さして叫ぶマヨ。
私の存在に気がつきイヤそうに目を細めるあいつ。

「チャイナ?てめーなんでここにいるんでさァ。さっさと帰りやがれ」
「イヤアル。誰がお前の言うことなんか聞くかバーカ」
「お前よりはバカじゃねーよ。というかお前よりバカなやつっていないんじゃねーの?」
「それはこっちの台詞ネ!お前程頭空っぽなやつ他にいるはず無いアル!!」
「おい喧嘩するなら外でやれ!仕事の邪魔だ出て行け!!っつーか総悟、お前仕事終わったのか!?」
「まだですぜィ」
「ならやれよ!!」
「そうせかさなくても大丈夫、今はちょいと休憩中なだけでさァ」
「へぇー、お前も仕事するアルカ?」
「当たり前だろィ。オレだって一応隊長だし」

クソ暑いなぁ。そうだ、喧嘩は後にしてアイス食べる?とあいつが聞いてきたので食べる!と即答してついて行った。
プライドとかさっきの喧嘩の続きとかそんなものよりも今はアイスの方が大事だ。
私たちは一時休戦してあいつの部屋で休憩することに(マヨうるさいし)

「あー、いいアルナァここは。クーラーきいてて涼しいし快適ネ」
「まぁ男だらけでむんむんしてるし逆にクーラーないとむさ苦しくて死んじまう」
「ねぇ、ここに住んでいい?」
「ダメに決まってんだろィ。旦那だってああ見えて親ばかで過保護だし許しが出るとは思えないし」
そうしたいのは山々だけど。
あいつの口からぼそっとそんな言葉が出たような気がしたが気のせいだろう。うん、気のせいにしておこう。

「住めないんだったら毎日通っていい?」
「毎日はダメでさァ。たぶんそんなことしたら土方さんがキレて関係者以外出入り禁止にしちまうと思うぜィ?」
1日であんなにキレてたんだしそうなるの可能性も高いだろう。
「ちっ、ホント腐れマヨアルナ」
そうこぼすと全く、腐ってカビて死んでくれねぇかなぁ、とあいつも愚痴をこぼした。

「・・・でもま、こんな暑い日ぐらいは来てもいいんじゃねぇ?お前ン家扇風機ぐらいしかないんだし、罰は当たらねぇと思いやすぜ」
「またアイスくれるアルカ?」
「もちろん。アイスどころか涼しい部屋で昼寝してもいいけど?」
「やったぁ!!」
そう跳ねて喜ぶと元気だなぁ、とくすくすあいつも笑った。


青空の向こうに永遠が見える


あんなに憎らしく感じた透き通るような綺麗な青空が今はとっても嬉しく感じた。
なんだかこの青空は今の私の気持ちを表してるように思えて、ずっとこんな天気だったらいいのになぁ、とつぶやいたらもしそうなったらぶっ倒れっちまうと言ってきた。

「でも、ずっとこの天気だと私毎日ここに通えるネ」
「・・・前言撤回、オレもお前が毎日通ってくれるんだったらずっとこんないい天気でもいいと思いまさァ。ただアイス代は今までの2倍はかかるけど」
「ただでアイス食べられるもん、たらふく食べてやるヨ!」
青空の下、くすくすと2人は笑いあった。



あーした天気にな〜ぁれ!

私は心の中でそっと、そうつぶやいた。

END

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