「外見は大人しくてクールな印象なんだが、中身は明るくて普通な女の子だな」
私は自分でも顔が暑くなるのを感じた。
「あ、ありがとう」
恥ずかしくなった私は、おやじの顔を見る事が出来ず、洋服選びを再開した。
「これかな」
ズボンに「2WAYスリークォーターパンツ」、シャツに「ボーダーTシャツ」、上着に「リネンコットンシャツ」、靴に「スポーツシューズ」を選んだ。人形は早速試着室へと飛んで行った。
「……試着室、必要なの?」
「…さぁな」
私達が話していると、試着が終わった人形が勢い良く飛んで来た。
「なあなあ、似合う?似合う?」
人形は上機嫌なのか、くるりと一回転して聞いてくる。私はそれが可愛くてクスクス笑いながら答えた。
「似合う似合う」
私達は一通り買うと、宿屋に戻る事にした。