etcetera

□三匹の子犬
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疲れた…。
ただそればかりを思いながらアキラァはベッドで丸まっています。あれから散々泣かされて鳴かされて気が付いたら次の日でした。
シキティは既にいません。いつも自分のシたいことだけ済ませてあっさり帰る兄に軽く殺意を覚えながら、アキラァは布団を引っ張り上げました。
まあお兄さんがいないのは幸いです。これでゆっくり休め…

「アーキラァアアアア!!!」

大声と共にボスッと藁の壁をぶち破って飛び込んで来た影。彼のもう一人の兄です。普段優しくて天然で軟弱な性格なのですが、今日は何やら様子が違いました。

「アキラァアア…さっきアイツとヤッてただろ?匂いで分かったよ…」
「あれは不可抗りょ」
「酷いんじゃない?アキラには俺がいるのにさぁぁぁ」

覆い被さり顎を掴もうとするケースケの眼は中毒患者と同じ。

「っ……ラインを使ったのか」
「ライン?あぁ、使ったさ。だからこうやってお前を押し倒す勇気が持てたんだ」

アキラァが苦しげに顔を歪めました。ケースケは麻薬に対する依存性があり、時折ラインという薬に手を出すのです。治すにはアキラァの血を摂取させ、その魅力で我に返さねばなりません。
 
「ぐしゃぐしゃにしてあげるよ。アイツの匂いなんか消えちゃうくらいにね…」
「あ……ぁっ…」

今はこんなに怖くても、中毒症状さえ無ければ本当にいい奴なのです。
ケースケをどうしても見捨てられないアキラァ。助ける為に覚悟を決めて、彼の背中へ腕を回しました。



悩みそのニ。隙間だらけなせいで匂いとか全部外に出ちゃう。
 
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