etcetera
□エマさんの心配事
1ページ/3ページ
閉め切られた部屋の中でベッドの軋む音と粘着質な水音が響く。加えて自分の吐息と喘ぎ声。全てが聴覚にこびりついてくる。
霞む意識の中でもまだ羞恥心を煽られて、アキラはシーツを握り締めた。
「く……ぁ………や、め…」
「何だ。もう降参か?」
「ああぁんっ」
シキが揶揄を含んだ声で訊ねながら腰を寄せる。快感の的への寸分違わぬ打ち付けで身体は勝手に震えてしまう。
濡れた眼をするアキラの耳朶を食んだ唇が媚薬の様な声で囁く。
「もっと足掻いてみせろ…鳴くしか出来ない飼い猫などつまらん」
「──ッ俺は…!あんたの猫になった覚えなんて、無い」
睨み返してくる眼を見たシキは鼻で笑い、満足そうに口の端を上げた。