Ilegenes

□本能なのか
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「レイ」
「んー?」

レイは書類に細々と記入をしながら、不意に寄ってきた少年の頭を抱いた。

「どうした?」
「あのさ、レイ。俺…俺………」

レイの胸に頭を押し付けて、アンジェは何かを言おうとしている。不安げな瞳をして睫を伏せたその顔はどこか、頼り無い仔犬を彷彿とさせた。

「そんなに遠慮しなくていいから、言いたいことがあるなら言ってみろよ」
「うん、じゃあ、言うよ?俺レイのことが好きみたいだ」
「………え?」

兄のような気持ちでアンジェの話を聞いてやろうとしていたレイは、恐らく脳のどこにも対処法が記録されていないであろう展開にフリーズした。
 
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