etcetera

□それいけ!シキ総帥
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「ヒナマツリというものを知っているか」
「え?」

深く椅子に沈んだ総帥の口から彼にはあまり似合わない単語が飛び出して、アキラは驚きを隠せなかった。

「一応…知っているつもりですが」
「好きな奴に着物を着せて飾ったり、ヒナアラレとやらを食べさせたり食べさせてもらったりするというのは本当か?」
「………」

一体誰だこの方に百八十度間違ったヒナマツリを吹き込んだ奴は…!
後で始末する。必ず始末する。チマツリに上げてやる。我知らず剣の柄を握り締めるアキラを、組んだ手に顎を乗せているシキが見上げた。それはもう、期待に満ち溢れた子供の様な眼をして。

「そんなに面白そうな行事なら俺達もやるぞ」
「貴方がそれを、望むのであれば…用意致しましょう」

部下として、まずは総帥のご要望を叶えよう。自分に言い聞かせながら、着物やアラレをどこから入手したものかとアキラは悩むのだった。


 
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