etcetera

□三匹の子犬
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いつかの時代のある所、三匹の子犬が暮らしていました。

一番上のお兄さんで何故か常に日本刀を持ち歩いている犬がシキティ。気品高くブランド嗜好な彼が住んでいるのは有名メーカーに造らせた煉瓦のお家です。
ここだけの話、建築を請け負った業者さん達はどういう訳か料金を受け取ること無く帰ってしまったんだとか。不思議ですね。

次に真ん中という中間管理職みたいなポジションの二重人格…いえ、二重犬格がケースケ。工具を扱うのが上手(特にドライバー)な彼はなんと自分でお家を建てました。
凄いですね。素犬とは言え樫や檜を使った丁寧な仕事はそこらの職犬にも引けを取りません。

最後は無関心かつ冷淡な性格ながらも皆に愛される末の子犬アキラァ。お兄さん達曰く、強気な瞳や雨に濡れた時の匂いが最高なんだそうです。
『どうでもいい』がモットーの彼は流される儘に生きるタイプで、お家は藁を束ね集めただけのささやかな作り。時々タケル犬や処刑犬が来て意地悪く壊してしまいますが、簡単に直せる藁のお家もそれはそれでいいのでしょう。

しかし大抵のことは気にしないアキラァでさえ、もっとちゃんとした家を建てようかと悩む問題がありました。
それは…
 
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