etcetera
□全ては定められた儘に
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「国民番号、ディーオージー、オーエフ、エスエイチアイケーアイ。だな?」
「はぁ?全然違う…」
偉そうな気配を漂わせておきながら、まるで的外れな情報を口にする女。アキラは馬鹿にしたように笑った。
笑おうとして…その口許がゆっくりと固まった。
……ん??
D、O、G……O、F…S、……!?
「何だよその番号ぉおお!!?既にシキエンド確定じゃねえか!!」
プラスチックの遮りをバンッと叩いたアキラの声は、普段のそれとは懸け離れて荒々しく動揺が露だ。
険しい顔の冤罪人の心情など気にも止めず、エマは煩わしそうに言い放つ。
「その通りだ。管理人の好物は結局そこに落ち着いたらしい」
「俺に…!選択の余地は無いのか」
「無い。因みに今回貴様が挑戦するのはイグラではなく、どこまで王を骨抜きに出来るかということになる」
「………イグラに参加する方がよっぽどマシだ…」
アキラがぽつりと溢した呟きが宙に霧散し、エマがフンと鼻を鳴らす中、グエンだけが心の内でひっそりと彼に同情していた。