宍戸義妹
□Story15
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それからも鳳先輩と特訓を続けていた亮くん。
怪我は絶えなかったけど
理由を知ってからは、冷静でいられた。
そしてとうとうこの日が来た。
亮くんは滝さんって人と試合をするらしい。
気になった私は、苦手でいつもは近寄らないテニスコートの近くにいる。
『亮くん…頑張って…』
何度も、何度もそう呟いた。
そのお陰…ではないけど、試合の結果は亮くんの勝ち。
やったぁ!
嬉しくてついつい頬が綻ぶ。
駆け寄りたい衝動を抑えながら、ちょうどコートに来た榊先生の言葉を待った。