ナルト置き場
□数年のブランク
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サスケは食器を洗いながら考える。
サイにヤマト……俺がいない間にナルトと仲良くなりやがって…!
自分から里を抜けておきながら、嫉妬に燃えるサスケだった。
食器を洗い終え、水道の蛇口をキュッと捻る。
後ろを振り向くと、ナルトはまだテーブルに向かっていた。
「おいナルト」
そちらへ向かいながら呼びかけるが、返事がない。
そこまで集中しているのだろうか。
「おい?」
覗いてみると、なんとペンを持ったまま下を向いて寝ていた。
しかもヨダレが書きかけの年賀状に垂れている。
その寝顔は、普段より幾分か幼く見えた。
彼と戦って別れたあの時を思い出す。
お互い必死で、1番理解し合えるはずなのにすれ違って。
結局は自分が何も見えていなかったのだ。
「ナルト………すまなかった」
実はまだ、ちゃんと謝っていなかった。
あれだけ迷惑をかけたというのに。
その金の髪に触れる。
サラサラとして相変わらず手触りがいい。
「……これからはずっと、おまえの傍にいるから」
だからもう、泣かなくていい。
いや、これからはこの俺が泣かせない。
ずっと笑顔でいさせてやる。
とりあえず……このヨダレまみれの年賀状をこれ以上悲惨な状態にさせない為に、そっとずらしてやろう。
サスケは苦笑しながら、愛しい彼の金色の頭を撫でるのだった。
→後書き