ナルト置き場

□ドッキリバレンタイン
2ページ/4ページ

 
 
そうこうしている間に当日。
 
 
 
右近はテーブルの上に置いてあるものを思わず凝視した。
 
バレンタインデーにラッピングされた袋。
中身は1つしかあるまい。
 
今日はネジが朝から修行に出かけると言っていたからもういない。
代わりに置いてあったこの袋。
 
「…え?これ俺が開けていいんだよな…?でも違ったら……いやでも…」
 
昨日寝る前はなかったから、ネジの用意したものに間違いはないだろう。
だが何処かに持って行こうとして忘れた可能性もある。
いや、そんな事は許さないが。
 
 
実はネジが朝から修行に出かけたのは、手渡しするのが恥ずかしかったから。
だが修行も全然集中出来ない。
 
昼になり、そろそろ帰るかとネジは帰路についた。
 
 
 
 
「……………」
 
やはり気になったので、一応そ〜っと家の中へ入る。
すると、予想外の光景があった。
 
朝置いたそのままのチョコと、その前で何やら難しい顔をしている右近。
 
呆然としているネジに気づいたのか、右近が顔を上げた。
 
 
「おかえりネジっ」
 
「あぁ」
 
 
「「……………」」
 
 
気まずい。
これは自分になのか聞きたい右近と、どうして開けないのか問いたいネジ。
 
先に口を開いたのは右近だった。
 
 
「ネジ……これって…俺に…?」
 
「あぁ」
 
「中って、もしかしてチョコ…?」
 
「あぁ。………チョコは…嫌いだったか…?」
 
「いやっ、好きだけどもっ!」
 
まさか貰えるとは思っていなかったのだ。
 
やっと確信が得られた右近は、嬉々として包みを開ける。
中身は手作りらしい不器用で可愛いチョコが入っていた。
しかも白でハートマークやら自分の名前やらが書かれている。
 
「アイディアは全て本からとった」
 
「あ、やっぱり?でも超嬉しい!ありがとな、ネジ!」
 
「……あぁ」
 
 
ほら、そうして赤くなるのがすごく可愛い
 
チョコも食べたいけど、1番食べたいのはネジ、だなんて……今は言うのはやめておこう
 
 
右近はお礼にと、チョコを食べたその口でいつもより甘い口付けを恋人に贈るのだった。
 
 
 
 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ