Long Story
□第十夜
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「うわぁ〜!お兄ちゃんいっぱーい♪遊んで!?」
一人の少年が飛び込んできたかと思えばすぐさま手前にいたアレンに飛びついた。
「ぐえ!」
首に腕を絡ませ、少年はアレンにぶら下がった。
アレンはといえば白目をむいている。
「キャハハッ♪」
「この家に子供がいたんさ!?」
確かに、瞠目せざるを得ない。
「違うよ。僕は隣の家に住んでるダニー。お兄ちゃんたちがジャンのこと、助けてくれるんでしょ?」
ジャンとはこの家の子供のことだろう。
「あの、…助げて……下ざい…」
その時掠れた声がした。
アレンだ。
慌ててダニーはアレンから離れた。