Long Story
□第五夜
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半月が今宵の空に浮かぶ。
星はそれぞれの存在を主張するように輝いている。
「美しい土地ですね、ウィスコンシンは。」
「何の変哲もなさそうさ。」
「雑談してねぇで今日寝る所探せ。」
ルイはそんな神田の隣でどこか寂しげに空を見上げていた。
脇には家が立ち並ぶ。
一軒一軒当たっていくしかないだろう。
そんなとき、一人の老婆が四人に声をかけた。
「その黒い団服…、黒の教団の方ですね?泊まる場所をお探しならどうぞうちへ来て下さい。」
老婆には何か緊迫した風があった。
その様子が気にとまったこともあり、ここは上がらせてもらうことにした。