Long Story
□第十一夜
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「ぅうん!…で?ダニーはジョンのこと、何か知っているんですか?」
咳払いを一つ、喉の調子を整え話を促す。
ダニーは一瞬顔を歪め、頷いた。
「ボク、一昨日の夜、ママと喧嘩したからこっそりジャンの部屋に忍び込んでたんだ。」
一昨日の夜とは、ジャンが居なくなる夜のことだ。
ダニーは徐に話し始めた。
「ボクは人の家に居ることがバレちゃ駄目だと思って押し入れで寝させてもらうことにした。もちろんジャンは承知の上で。」
エクソシストたちはダニーの話に静かに耳を傾ける。
「でもボク、何か物音がしたから、そっとジャンの様子を窺ってみたんだ。そうしたら……、まるで夢遊病にかかったかのように扉から出て行こうとしてた。」
「その時のそいつの様子は?」
ルイが急かすように聞いた。
「目が虚ろで…誰かに操られているようだった。」
その時、バンッという音をたててアレンが床に手をついた。
「クソッ!僕たちが来るのがもう少し早ければ…!!」
「もう誰を当てにしていいかわかんねーさ。」