Long Story
□第十夜
1ページ/2ページ
「「うるせぇモヤシ!」」
「ア!レ!ン!で!す!!」
アレンは二人分の対抗のために息切れ状態である。
そして問う。
「だいたい夜中に二人で何の話してたんですか。ルイの怒声が聞こえてきましたよ。」
「「……。」」
黙殺。
「……無心になれ、無心になるんだ僕。」
と二人の沈黙に対しアレンは呟くように自分に言い聞かせる。
「まあまあ、そろそろ本題に入ろうぜ。」
見兼ねたラビが話を元に戻す。
睨み合った三人は渋々向き直った。
「でも子どもが居なくなるのは毎回数人。まだ街にいる子どもの人数は沢山います。誰をどう、いつ追えばいいんでしょう……。」
そう、例え毎回の時間が夜中だとわかっていたとしても、この大人数の中、誰が消えるかわからない。
「急がねぇとマジで誰も居なくなっちまうさ。」
四人が頭を抱えていたその時、部屋の扉が開けられた。