Long Story
□第八夜
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言い切った時にはルイは立ち上がっていた。
顔が月明かりに照らし出される。
泣いていたのだろう、顔が腫れぼったくなっている。
「だから、だから……!」
「エクソシストになるのを拒んだのか…?」
神田がルイの言葉を継いだ。
「……。」
「そのエクソシストは見殺しにしたんじゃないぜ。大事なものを手にするために犠牲にしたんだ、きっとな。」
「犠牲だと!?」
ルイが怒りを露わにした。
「戦に犠牲はつきものだ。お前の両親はイノセンスの対価となったんだ。」
「俺の両親が…イノセンス回収のための対価だ…!?」
「そうだ。」
ルイが拳を握った。
「ふざけるなっ!!命を何だと思って―」
「じゃあ聞くがな」
神田が声を張り上げた。