Long Story
□第一夜
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「放せぇえーーー!!」
一人の青年の怒声が暗い廊下に響き渡る。
ここは黒の教団。
アクマの生産者、千年伯爵に対抗するべく設立された。
主な目的はイノセンスの回収。
大元帥の元、エクソシストたちに代表される「実働派」と、科学班や探索班、そして各地域の支部などの「サポート派」の二つから構成されている。そして今日もまた、一人のエクソシストが連れてこられた。
「少しは大人しくしてくれよ!」
何人かの探索部隊(ファインダー)に無理やり連れてこられた青年。
髪は茶色く短め、瞳は澄んだ青色をしている。
「コムイ室長!なんとか連れてきましたよ!」
扉を開ければまず目に入ってくるのは壁一面に収められた膨大な資料。
遥か高みにある天井まで届くような書棚が壁を覆うようにして置かれている。
そのせいか、広々とした空間のはずなのに奇妙な圧迫感がある。
「全く困った子だねー。」
コムイ室長。
室長とはサポート派のトップであり、班長や支部長の中から選ばれる。
毎回皆に指令を出すのもこの人だ。
細かな紹介は後にすることとなろう。
「コムイさん、新入りですか?その人は。」
口を開いたのは白髪の少年。
まだ幼い顔立ちであるが彼はエクソシスト、アレン・ウォーカーである。