ないしょの屋根裏部屋

□心すべてを
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「井上・・・」
ようやくこの腕に抱きしめた細い肩と、それに似合わない大きく柔らかい胸の感触に熱くなり始める身体。
「くろさき、くん・・・?」
驚いて一瞬硬直して、小さく名を呼ぶ声。
やっと自分の胸に遠慮深げに顔を埋めながらも、まだ戸惑ってどこに置いていいかわからないように彷徨う手がくすぐったくもいじらしく、ぐいと掴んで背に回せと誘う。
それでもこわごわとやっと置かれた程度の腕がもどかしくて、自分の腕に力と願いを込める。
俺を、感じて、欲しい、と。


<心すべてを>



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